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猫は笑ってくれない

猫は笑ってくれない

猫は笑ってくれない

作家
向井康介
出版社
ポプラ社
発売日
2018-09-07
ISBN
9784591160046
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「猫は笑ってくれない」のおすすめレビュー

「今月のプラチナ本」は、向井康介『猫は笑ってくれない』

『猫は笑ってくれない』

●あらすじ● 脚本家の早川と、映画監督の漣子。元恋人同士である二人は、一緒に育てた愛猫・ソンの寿命が近づいていることをきっかけに、5年ぶりに連絡を取り合う。早川は、漣子とその結婚相手が仕事で家を空ける間、自分がソンの看病をすることを申し出る。こうして元恋人の家に通い詰めるようになった早川だが――。愛と喪失について描かれた、著者初の長編小説。 むかい・こうすけ●脚本家。1977年、徳島県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。脚本を手掛けた映画作品に『ふがいない僕は空を見た』『もらとりあむタマ子』『陽だまりの彼女』『聖の青春』など。2017年、文芸・その他部門にて咲くやこの花賞受賞。本作が初の長編小説執筆となる。

向井康介ポプラ社 1500円(税別) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

すべてはいつも、終わってから気づく 生きているものが、死んでいく。愛し合った者が、別れていく。本書は2種類の「終わり」を描いた小説だ。どちらの「終わり」も、事故のように突然訪れることがある。だがたいていの場合は、ゆっくりと、じわじわと、終わっ…

2018/11/6

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年を重ねても決断せずに生きることを許される。脚本家・向井康介が描く「東京の恋愛」

『リンダリンダリンダ』『もらとりあむタマ子』といった山下敦弘監督とコンビを組んだ作品で知られ、映画『聖の青春』『ピース オブ ケイク』などの脚本も手がけてきた向井康介。彼が初となる長編小説『猫は笑ってくれない』(ポプラ社)を発表した。インタビューの後編では、「どれも自分の作品と感じにくい」映画の脚本家の立場の難しさや、ずるすると生きることが許される「東京の恋愛」について聞いた。 前編はこちら 『猫は笑ってくれない』(向井康介/ポプラ社)の主人公は脚本家の早川。彼は映画監督の漣子と付き合っていたが2人は破局。一緒に暮らした愛猫のソンは漣子が引き取り、漣子は宮田という新聞記者と結婚した。

 しかしソンは病気で先が長くない状態に。「一応は二人で育てたのだし」と漣子の家に呼ばれた早川。3人で鍋をつつく中で、漣子と宮田は昼間はソンを見られない……という話になったとき、早川が「俺が見るよ」と提案。結婚した元恋人の家に通うことになるのが物語のはじまりだ。

■「三幕構成」「主人公の変化、変身」脚本書きの鉄則が小説に登場した理由

――この小説には「主人公は何かしら変化…

2018/9/24

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「この本は俺の長い長い言い訳なんです」『聖の青春』『ハード・コア』などを手掛ける脚本家・向井康介が初の長編小説を発表!

『リンダリンダリンダ』『もらとりあむタマ子』といった山下敦弘監督とコンビを組んだ作品で知られ、映画『聖の青春』『ピース オブ ケイク』などの脚本も手がけてきた向井康介。彼が初となる長編小説『猫は笑ってくれない』(ポプラ社)を発表した。インタビューの前編では、「俺の長い長い言い訳なんです」という小説の成立背景と、本人の憧れも入り交じる本書のキーワード「東京の暮らし」について聞いた。

『猫は笑ってくれない』の主人公は脚本家の早川。彼は映画監督の漣子と付き合っていたが、2人は破局。一緒に暮らした愛猫のソンは漣子が引き取り、漣子は宮田という新聞記者と結婚した。

 しかしソンは病気で先が長くない状態に。「一応は二人で育てたのだし」と漣子の家に呼ばれた早川。3人で鍋をつつく中で、漣子と宮田は昼間はソンを見られない……という話になったとき、早川が「俺が見るよ」と提案。結婚した元恋人の家に通うことになるのが物語のはじまりだ。

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猫は笑ってくれない / 感想・レビュー

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mocha

共に育てた猫がもう危ないと聞き、元恋人の家へ看病に通う脚本家。それは5年前に終わってしまった彼女との時間をなぞり、失ったものに改めて向き合う時間となった。刹那にしか生きられず、安定というクビキから逃げる男。こういう話は嫌いじゃないけど、ちょっと昔の匂いがする。自伝的小説なのかな?YA向きセットに入っていることにも違和感がある。わかっていたけど、猫との別れには涙涙だった。

2019/11/05

優希

元恋人が飼っていた猫の死期が近づき、看病することになります。ペットの死に関する物語は辛いものがあります。何年経っても自分の愛犬が死んだときのことを思い出すからです。

2020/08/07

aloha0307

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MAEDA Toshiyuki まちかど読書会

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2021/05/09

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