ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書 い 4-6)
「ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書 い 4-6)」のおすすめレビュー
池上彰さんも嫌いだった!! ニュースがわかる、大人のための「高校世界史」
『ニュースがわかる 高校世界史』(池上彰、増田ユリヤ/ポプラ社)
ここ数年、大人向けの「世界史本」がブームだ。中高で学んだはずなのに、当時は暗記に追われて今じゃさっぱり、どうにか生きた知識にできないものか…大人たちのそんなジレンマが「学び直し」に向かうのだろう。
そこで朗報! このほど登場した『ニュースがわかる 高校世界史』(ポプラ社)は、リアルなニュースと苦手になりがちな現代史を結びつけてくれる1冊だ。著者はわかりやすいニュース解説で定評のある池上彰氏と増田ユリヤ氏。「世界史の教科書は読むだけではわからない」というおふたりが、教科書的な記述の裏の因果関係を解きほぐし、暴れん坊「ドナルド・トランプ米大統領」などのリアルな人物たちと結びつけてくれるからおもしろい。
たとえば世界恐慌。「1929 年にニューヨークで株価が暴落」と暗記したものだが、因果関係まで把握しているだろうか。第一次世界大戦の戦場にならなかったアメリカは欧州向け輸出で好景気。自動車産業の発展で自動車通勤が可能になった人々はこぞって郊外にマイホームを持つようになり地価も上昇。192…
2018/10/5
全文を読むおすすめレビューをもっと見る
ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書 い 4-6) / 感想・レビュー
ちくわん
2018年9月の本。第1限、米トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の背景となった1929年(池上)。第2限、独ナチス台頭の背景を1929年に置く(増田)。第3限、メキシコとの壁。中ロのように周辺国を緩衝国としない米国。先住民の土地に後から無理矢理割り込んできたことで、周辺国と上手く共存できない国家体質なのか?本書でも「詳細世界史研究」(山川出版社)からの引用が。受験参考書、恐るべし。
2021/08/29
hk
「メキシコは中南米ではなく”北米”だ…」「日本の歴史教科書は生徒が読んでも解らないようにできている。教師が補足してはじめて全体像がクリアーになるように設計され、それが教師の権威の源泉となる仕組みだ。だから世界史の教科書を読んでも歴史を把握することは困難なのだ」この2つの指摘はなるほどと腹落ちした。 だがどうだろうか? 本書の趣旨である「1929年アメリカ発世界大恐慌からナチスの台頭そして破滅までと、米中貿易戦争を契機にブロック経済化がすすむ現代とのアナロジー分析」は舌足らずで解りずらいのではないだろうか。
2018/11/22
mm
世界恐慌が起こった背景とその影響・ナチ政権誕生の過程と今のドイツの人の心情・トランプ政権の行動指針の原型と現れる歪み、以上3点についての授業でした。巻末に簡単なテスト付きで、大学ノートに似せた装丁。学生時代を懐かしんでね、というサービスでしょう。学生時代はやはり経験が無いので、ああそういえばアレに似ているとか、強いて言えばあんな感じか……という我が身に落とし込むポイントが無さすぎて、世界史はツルツルになってしまうんだろう。小説を読んだり、物見遊山に行ったり、料理を食べたりした無駄経験が理解のフックかな?
2021/07/26
mintia
世界史は用語と年号の丸暗記しかやってなかったので、全体の流れが掴めていない。そんな自分にも、スーッと頭に入ってきた。池上さんが言うように、歴史をどうやって自分のことと捉えていくか考えていきたい。
2018/11/05
りょちみ
「世界史」とあるが、テーマは「世界恐慌」「(ドイツの)独裁政治」「アメリカ・ファースト」に絞られています。キーポイントは、今の政治経済を歴史から分析して繋がりを知ろうということ。アメリカの建国の歴史を知ることで、現在のトランプ大統領の根底にある考え方の理解だったり、世界恐慌やドイツのヒトラーの台頭との横のつながりが見えてくることで、途端に今までのお勉強としての世界史から、ストーリー展開を楽しむ視点に変わります。なぜこの政策を進めているのか、理由を問うと必ず歴史的背景があるはず。疑問を持つこと!
2019/03/31
感想・レビューをもっと見る