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ひとりの覚悟 (ポプラ新書 や 2-2)

ひとりの覚悟 (ポプラ新書 や 2-2)

ひとりの覚悟 (ポプラ新書 や 2-2)

作家
山折哲雄
出版社
ポプラ社
発売日
2019-01-11
ISBN
9784591161340
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「ひとりの覚悟 (ポプラ新書 や 2-2)」のおすすめレビュー

「90歳以上の安楽死解禁」はあり? 宗教学者が問う“いのちのけじめ論”

『ひとりの覚悟』(山折哲雄/ポプラ新書)

 日本では、安楽死は違法である。延命治療を選択しない、あるいは中断する消極的安楽死は可能とされているものの、自殺幇助や殺人の罪に問われかねないため、多くの医師はその道を選択したがらないという。

 実際、大切な人が病におかされたとき簡単には受け入れられないだろうし、自殺を公的に容認しかねないおそれがあるのもわかる。だが実際、「どんなに苦しくても死ねない」というのはひどく苦しいことなのではないか、選択肢の一つとして準備されていることは必ずしも悪いことではないのではないか……。

 医療技術が進歩した今だからこそ改めて考えねばならないこの問題に「90歳以上の安楽死解禁」を提唱するのが『ひとりの覚悟』(ポプラ新書)。宗教学者であり哲学者でもある山折哲雄氏による著書である。

 著者は「90歳を過ぎた人間が自らの死に方を選ぶことは当然の権利であり、義務でさえある」と主張する。釈迦の没年齢は80歳、親鸞は90歳。人生を100年と仮定すれば90歳は、最晩年の始まりである。87歳の著者がみずからの行く末を考え抜いたすえの言葉である…

2019/1/22

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ひとりの覚悟 (ポプラ新書 や 2-2) / 感想・レビュー

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みねたか@

著者の本を読むのは初めて。標題のテーマである、一人の人間としていかに死と向き合うかということについては、あまり腹落ちしない。しかし、遺体が徐々に朽ちていく過程に接し死を確認することでプロセスとして死を受け止める「殯」の儀式の意味。日本人の精神世界が、仏教の無常観と、多くの天災を経る中で形成された天然の無常観が相通じて作られたなど、日本人の死生観に関する指摘には納得感がある。改めて、死と生そしてそのあわいが、断絶ではなく近しいものだということを感じる。

2021/03/22

trazom

山折先生の本を集中的に読んだ時期があったが、最近は、少し暴発気味の主張に違和感を感じることが多い。この本も「90歳以上の安楽死解禁」という部分だけを取り上げると単なるセンセーションにすぎないが、内容はもう少し深い。死を点でとらえる西洋の思想に対し、日本人の死生観は、生と死は線で繋がっていると考える。だから、安楽死や終末医療などに、宗教界が積極的に関与しないことを批判するのは理解するが、「戦後、日本では宗教教育が疎かにされてきた」という指摘には抵抗がある。公教育が宗教に関与することに、私は、絶対反対である。

2019/09/02

Twakiz

ご年配の仏教僧の方はこんなことを考えるのね・・という感想.単に安楽死を認めようということのみでなく日本人の死生観について考え直そうという主張.この世はすべて無常のものという考えには賛同する.ただ高齢になったら自分の逝きたい時に断食死・・・は現実的でないことと,安楽死問題を考えるべく「老護院」の創設を,にはあまり魅力は感じなかった.

2019/10/04

とく たま

よーわからんわ?  哲学でもなくスピリチュアルでもなくハウツーでもない⁉️ しかし、未練たらしく長いきなりせんとさっさと、死ね‼️ってのは、わかる🎵

2020/07/12

とむ

近代になり失われた日本古来の死生観を再度見直し、これからの高齢化社会に如何望むべきかとの提言。やや偏った考えも見受けられるが、概ね同意できる内容。

2022/05/03

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