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零から0へ

零から0へ

零から0へ

作家
まはら三桃
出版社
ポプラ社
発売日
2021-01-14
ISBN
9784591169070
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零から0へ / 感想・レビュー

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あすなろ

零から0へ。良い題ですね。夢の超特急 新幹線を研究し造っていく物語。僕は、新幹線開発に戦前の技術が使われたことは知っていたが、それは例えば満鉄のあじあ号やそれに次ごうとしていた技術だと勝手に勘違いしておりました。戦闘機の技術転用だったとは。自動車だけではないのですね。確かに作中にもあるが、新幹線は翼がない飛行機と言える。もう少し描き込みが欲しいとも思うが、これはYAジャンルを意識しているのか不明であるが、活字も大きめであり、まはら氏の未知のテーマへの挑戦でもあり、そこは気にせずとも充分愉しめた作品。

2021/02/13

ゆのん

戦後、まだ焼野原も見られる時代に高速鉄道の研究がされる。95キロの時代に200キロのスピードで走る夢の様な鉄道である。開発の先頭に立つ人達の『平和』にかける思いを形にしたのがこの高速鉄道。『美しく、安全で速い』は平和の象徴だとどんな困難にも立ち向かうひたむきな想いに胸を打たれる。小学生の頃、盆と正月に祖父母の家に向かう時にこの『夢の高速鉄道』に乗っていた事を思い出す。今、当たり前にある物であってもその後ろには大勢の血と涙の結晶、そして熱い想いがあると思うと感動してしまう。

2021/01/11

ぶんこ

胸が熱くなる素晴らしい本でした。著者あとがきに私の感想と同じことが簡潔に書かれていて、さすが作家さんは違うと驚きもしました。自らが作った戦闘機で多くの人を死なせてしまった。その贖罪の気持ちを、平和な乗り物を作ることに賭けた技術者たち。新幹線がこのような思いから作られたとは知らなかっただけに感無量です。寧子さんが、そんな技術者たちを間近に見て総務の仕事から技術研究所の仕事に立候補した気持ちがよく分かりました。聡一さんも、そんな夢のある職場で、尊敬できる上司を持てたこと、最高の人生でしょう。良かったです。

2021/02/25

花ママ

戦争中、零式戦闘機の技術開発を行っていた人たちが、戦後の復興の象徴となった〈0系新幹線〉の開発に携わる。その胸中にはいろんな思いがあったろう。かたや本来の国鉄総局の鉄道技術研究所の人たちにとっては、目障りといえる存在だったこともわかるような気がする。ただ両者共に〈戦いを生み出さない美しくて安全な希望の乗り物〉を作りたいという熱意は同じだったと思う。開発にかける日本人技術者・研究者の威信をかけた努力が垣間見られ、胸が熱くなった。

2021/02/12

平和を運ぶ「新幹線電車」完成までの道のりを、史実を基に綴られたフィクション。もっと山あり谷あり重厚なほうが私は好き。でもそのぶん読みやすい。「戦争で失ったものを取り戻す」誰もが何かを失い、抱えなくてもいい荷物を抱えながら生きていた。経験した時は同じ、でも違うものを見ていた彼ら。「夢の超特急」を前に、渦巻く期待と反発。ひとりでは、ひとつの考えではまだ見ぬ夢へはたどり着けない。いくつもの技術が交差し重なり、形になる。完成したのは、ばらばらだった人々を繋ぐ希望のひかり。変化を恐れず、より良い未来を信じる心持ち。

2021/05/07

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