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零から0へ

零から0へ

零から0へ

作家
まはら三桃
出版社
ポプラ社
発売日
2021-01-14
ISBN
9784591169070
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零から0へ / 感想・レビュー

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みかん🍊

日本初の新幹線を開発していたのは戦争で零戦を作った技術者だった、自分の技術が戦闘に使われたくさんの人の命を奪った事を後悔し贖罪のため平和の為にはしる新幹線を作る、視力が弱く戦争に行けなかったが父の戦死で家族を養うため大学を辞め鉄道技術研究所に就職した主人公の目を通して新幹線の開通までの熱い日々が描かれている。当時は夢だと言われ反発された速く快適な車両が今や当たり前の事として走っているのは感慨深い。

2021/06/09

あすなろ

零から0へ。良い題ですね。夢の超特急 新幹線を研究し造っていく物語。僕は、新幹線開発に戦前の技術が使われたことは知っていたが、それは例えば満鉄のあじあ号やそれに次ごうとしていた技術だと勝手に勘違いしておりました。戦闘機の技術転用だったとは。自動車だけではないのですね。確かに作中にもあるが、新幹線は翼がない飛行機と言える。もう少し描き込みが欲しいとも思うが、これはYAジャンルを意識しているのか不明であるが、活字も大きめであり、まはら氏の未知のテーマへの挑戦でもあり、そこは気にせずとも充分愉しめた作品。

2021/02/13

ゆみねこ

新幹線を生み出した技術者たちの物語。戦闘機を作り多くの若い命を奪うことになった贖罪の思いが平和の乗り物である新幹線へと。戦後、助手として鉄道技術研究所に就職した松岡聡一の目を通して綴られる。熱い感動のうちに読了、皆さんにお薦めの1冊。

2021/05/25

ゆのん

戦後、まだ焼野原も見られる時代に高速鉄道の研究がされる。95キロの時代に200キロのスピードで走る夢の様な鉄道である。開発の先頭に立つ人達の『平和』にかける思いを形にしたのがこの高速鉄道。『美しく、安全で速い』は平和の象徴だとどんな困難にも立ち向かうひたむきな想いに胸を打たれる。小学生の頃、盆と正月に祖父母の家に向かう時にこの『夢の高速鉄道』に乗っていた事を思い出す。今、当たり前にある物であってもその後ろには大勢の血と涙の結晶、そして熱い想いがあると思うと感動してしまう。

2021/01/11

ぶんこ

胸が熱くなる素晴らしい本でした。著者あとがきに私の感想と同じことが簡潔に書かれていて、さすが作家さんは違うと驚きもしました。自らが作った戦闘機で多くの人を死なせてしまった。その贖罪の気持ちを、平和な乗り物を作ることに賭けた技術者たち。新幹線がこのような思いから作られたとは知らなかっただけに感無量です。寧子さんが、そんな技術者たちを間近に見て総務の仕事から技術研究所の仕事に立候補した気持ちがよく分かりました。聡一さんも、そんな夢のある職場で、尊敬できる上司を持てたこと、最高の人生でしょう。良かったです。

2021/02/25

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