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夜が暗いとはかぎらない (ポプラ文庫 て 3-4)

夜が暗いとはかぎらない (ポプラ文庫 て 3-4)

夜が暗いとはかぎらない (ポプラ文庫 て 3-4)

作家
寺地はるな
出版社
ポプラ社
発売日
2021-06-04
ISBN
9784591170250
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夜が暗いとはかぎらない (ポプラ文庫 て 3-4) / 感想・レビュー

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itica

寂れつつある「あかつき商店街」の周辺に住む登場人物の誰もが特別な人ってわけじゃない。でもひとくくりに「普通の人」と言うのとも違う。何だかなあ、ため息が出てしまったよ。しこりのようなものを胸に抱えているのは自分だけだと、いつの間にか思い込んでいたのかな。誰だって悩みのひとつやふたつはある。それでも生きている。内面はともかく、他から見たら普通に見えるくらいには、みんな頑張って生きているんだね。私もまだまだ大丈夫。明日も明後日も頑張れる。何気ない言葉が宝石のように輝いていて元気を貰えたよ。

2021/09/08

mayu

閉店が決まっている商店街、あかつきマーケット。そこのキャラクターあかつきんと、その周りの人たちを描いた連作短編集。人助けをするあかつきんは、ちょっとした話題になるけど、閉店が覆るわけじゃない。新しい道を踏み出して、希望に満ちているはずの朝だって明るいものとは限らない。何もかもうまくいかないように思えても、夜が暗いだけとは限らない。思い通りにいかないことは多々あるけど、一生懸命に生きる人たち。少しずつでも前へ進もうとする姿に元気をもらった。

2022/02/20

nyaoko

ちょっと寂れてきたとある町のあかつきマーケット。そこのマスコットキャラ「あかつきん」が突然いなくなった。あかつきんに関わった人達の日常を描いた連作短編。登場人物が多くてちょっと混乱したけど、あかつき町の住人になって想像しながら読んでみた。誰も悩みや不満なんて1つもないと言う人生はない。折り合いをつけて生きていく、寺地さんはいつもそんな事を読者に教えてくれる気がする。特に自転車のおじいちゃんのお話はとても良かったなぁ。

2022/07/06

エドワード

大阪郊外のあかつきマーケット。小さな店舗が並ぶ薄暗い市場。花屋、和菓子屋、パン屋、色々な店の様々な世代の人々の心象風景がつながる様が見事だ。我家の近くにもこんな市場があったが今はスーパーだ。世の中は否応なく変わる。ネット通販、キャッシュレス決済、小さな商店が時代についていくのは本当に大変だと思う。ニュースや広告で「新しく変わります!」と謳うたびにどこもここも閉店していく。お祭りや福引きの風景はもはや稀少だ。不思議なタイトルは「新しいものが味わい深いとは限らない」の暗示だろうか。年男です。今年もよろしく。

2022/01/02

さぜん

大阪のある町の商店街あかつきマーケットを舞台に、市井の人々の悲喜こもごもを描く。登場人物の物語が数珠つなぎのように紡がれ、するすると読了。痛い人達がメインだけど、そんな人たちが些細なことで救われ、前を向ける。コミュニティの力って大きい。そして、そんな人達を丁寧に描ける寺地さんはさすが。

2023/05/27

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