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古道具おもかげ屋 (ポプラ文庫 た 13-1)

古道具おもかげ屋 (ポプラ文庫 た 13-1)

古道具おもかげ屋 (ポプラ文庫 た 13-1)

作家
田牧大和
出版社
ポプラ社
発売日
2021-12-07
ISBN
9784591172056
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「古道具おもかげ屋 (ポプラ文庫 た 13-1)」のおすすめレビュー

「迷い猫、探します」―― “古道具”を通して困った事情を抱えた人の思いを解き明かす『古道具おもかげ屋』

『古道具おもかげ屋』(田牧大和/ポプラ社)

 八丁堀の長屋で「猫探し」を生業にしている少女・さよ。まだ15歳にもなっていないのに、自分ひとりの力で生きていくのだと決めたさよは、自分と同じように理不尽に傷つけられる猫たちのために心を尽くそうと決めている。小説『古道具おもかげ屋』(田牧大和/ポプラ社)の主人公は、そんな彼女が主人公――ではなくて、猫探し屋の店舗として間借りしている古道具屋おもかげ屋の店主・柚之助だ。

 18歳、女性と見まごうばかりの美青年の彼、通称“ゆずさん”は、人間嫌いのさよと違って、人間にまったく興味がない。あるのは、古道具に対してだけ。古道具をまるで人間かのように扱い、話しかけ、人間を相手にするときは、観察して古道具にたとえるクセがついている。愛着なく横柄に古道具を買おうとする客は追い払ってしまう彼のため、なにか困った事情を抱えて古道具を探す客を見つけては引っ張ってくるのがさよの役目だ。なぜ事情が必要かというと、もちろん客に同情するからなどではなく、“古道具のために”ひと肌脱ごうと柚之助がやる気を出すからである。

 物語冒頭でさよが…

2021/12/24

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古道具おもかげ屋 (ポプラ文庫 た 13-1) / 感想・レビュー

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初美マリン

いつものように猫は賢い、けどなんかもどかしい作品でした

2022/06/16

タイ子

古道具屋の主人は超イケメンの若者・柚之助。ただ、人嫌いなのが難。彼を人嫌いにさせたのは幼少の頃の嫌な想い出。店番をするのがおさよちゃん。おさよちゃんがこの店に来たのも辛い辛い生活から逃れるため。この下りは涙です。そして、柚之助の育ての親・菊ばあ。物語のあちこちに登場する飼い猫たち、総勢6匹。「鯖猫長屋」と重なる部分もなきにしもあらずだが、これはこれで味があってよろしいかと。古道具に関する訳あり人に寄り添ってしまうのも優しさゆえ。世知辛い世の中だけど誰かが側にいてくれる、そんな優しい物語。続編はないのかな。

2021/12/23

真理そら

猫と古道具なのでファンタジー方向の話かと思って読み始めたが、猫はワラワラ登場するが普通の猫。古道具がいっぱい登場するが付喪神ではない。猫の多い古道具屋の若くて美しい店主・柚之助は人嫌い。そこで店番兼猫探し屋をしているさよは人が怖い(特に中年の女の人)。この二人が少しずつ対人関係を結んでいく物語だけれどシリーズ物の一作目だろうか、柚之助の父の言い訳もさよの実家の始末の付け方もいま一つ釈然としない気持ちで読み終えた。

2022/02/09

新たな猫シリーズ⁉優しさを感じられる作品でした

2022/02/25

ぶんこ

会う人を古道具に置き換えて考えてしまう柚之助が営む古道具屋「おもかげ屋」。この名前をつけた祖母の菊ばあの「どんな道具にも、作った人、使った人の想い、その面影を宿している」という言葉に感嘆。菊ばあと柚之助は、不祥事に逃げ出した卓蔵と、さよには実の祖父、母から水も与えられずに監禁された過去があった。そんな人嫌いになる過去を持ちながら、たくさんの猫と、頼りになる両さん、左右田さんに守られて穏やかな生活をおくれているのが何よりです。しかし、家族を放って逃げた父の悪気のなさに絶句。

2024/02/09

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