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赤めだか

赤めだか

赤めだか

作家
立川談春
出版社
扶桑社
発売日
2008-04-11
ISBN
9784594056155
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赤めだか / 感想・レビュー

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seacalf

言わずとしれた落語界の異端児、立川談志。才気走った言動と抜群に上手い落語で人々を魅了した。その彼のお弟子さんである談春さんの若かりし前座時代を振り返るエッセイ。どう転んでも面白いに決まっている。全編を通して気っ風の良い台詞がバンバン飛び出すから読んでいて頗る気持ちが良い。毀誉褒貶の激しい談志師匠の人柄がよく描かれている。とにかく愛されているなあ、この師匠は。蛇足だが、志らくさんの吃り口調は若い頃からだったのね。連綿と受け継がれてきた技がどう継承されているのか、実際に寄席へ行って噺を聴きたくなる一冊。

2020/02/19

またおやぢ

年末には『芝浜』を聴きたいところだが、談春のチケットは入手できず『赤めだか』を読み直して年を越す事に。「現実は事実だ。そして、現実を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。」示唆に富んだ良い言葉だ。落語とは人間の業の肯定であるとは、立川談志の言だが、落語と同様に人への愛情、師匠への情に溢れた一冊。嗚呼『除夜の雪』も聴きたいが、桂米朝も既に鬼籍…ここは、寄席行って気分だけでも味わいますかね。

2015/12/29

佐々陽太朗(K.Tsubota)

立川談春の自伝的エッセイ。とはいえ、ここに書かれているのは談志(イエモト)のこと、いかに談志が魅力的か、自分がいかに談志に惚れぬいているかである。「修行とは矛盾に耐えることである」談志がしばしば言っていること。弟子にとって一等矛盾した存在が実は談志である。それは談志が生身の人間であり、現在進行形で自分のあり方を考えているからであり、その意味でつねに揺らいでいる存在だからだ。それを理解せよ、納得せよということではない。オレ(談志)にとことん惚れろ。そして惚れたなら、オレを喜ばせろということであろう。

2018/01/07

抹茶モナカ

立川談春さんが談志師匠の所に入門して、真打になるまでのエッセイ。修行とは矛盾に耐える事である。前座時代の苦労についての筆致は、落語家修行のみならず、会社組織で働くサラリーマンにも勉強になるところがあるのではないかな、と思った。上司が談志に似ている、とか、そういう訳でなくても、コツコツ下積みをして行く姿勢は、通じるのではないか、と思った。

2015/02/12

kinkin

落語はほとんど聞かないしわからない。著者はドラマ「下町ロケット」に出演したことで落語家ということを知った。その彼が本を出していることを知ったので読んだ。立川談志に入門してから一人前になるまでが体験をもとに綴られていた。なんでもそうだが入門というのは大変そうだ。「修行は矛盾に耐えること」と書かれていた。私にはとても耐えられないな・・・本当に自分のなりたいことを目標にして修行というけれど修行中に目標を見失う ことのほうが多いのかもしれない。でも今の世の中を生き抜くこと自体も修行の一部かもしれない。図書館本。

2016/06/02

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