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最後のイタコ

最後のイタコ

最後のイタコ

作家
松田広子
出版社
扶桑社
発売日
2013-07-22
ISBN
9784594068592
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最後のイタコ / 感想・レビュー

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ニッポニア

興味深い、イタコです。霊を下ろして、言葉を引き出す。信じるか信じないか、はあなた次第ではありますし、私は全く信じませんが、これは一種の芸のようです。師匠について、稽古をつけてもらう、という過程は落語と同様。落語だって、最初は神に捧げていたのかもしれない。善意でやる分にはナンの問題もないので、それが法外な料金をとって、という段階に進むといけません。何しろ根拠や成果が見えない世界、言い値になってしまうことは必至。文化として残すのは、あり、ですね。

2023/12/02

つちのこ

1980年代には300人はいたといわれるイタコ、現在活動しているのは10人以下という。最後のイタコと呼ばれる著者は、「絶滅危惧種」と言い放つ。高齢化の波に逆らえない以上に、厳しい修行による伝承を受け継ぐ後継者が少ないことがその理由である。イタコや瞽女は盲目の女性がつける仕事として古くからあったが、師匠について学び、技を継承するのは同じである。イタコの源流は古来からのシャーマン信仰にあるのか、その性格は宗教家とは明らかに違う。口寄せにより死者と対峙する神秘を信じるのも信じないも己次第である。本書では⇒

2021/12/21

かおりんご

読み友さんの感想で知った本。イタコというと、恐山で死者を呼び下ろしてくれるというイメージしかなかったので、斬新でした。カウンセリング的な側面もあるのですね。本当に死者の言葉を伝えているのかは定かではないですが、伝統文化として継承していってほしいと思いました。

2019/01/08

けんとまん1007

イタコという言葉を知り、それなりのイメージを持っていたが、読んでみて、随分と印象が変わった。やはり、知らないということは、気を付けないといけないということだ。持って生まれたものの重みばかりと思っていたが、修行の大変さと、その意味合いが感じられる。そして、何よりも、そのために努力し続けるご本人の思いの大きさだろう。人は、語ることによって、自分自身で整理しながら生きていく場面も多い。そんな意味合いもあるのだと再認識。科学ではない、生物としての人間だからこその世界だと思う。

2016/04/25

Kentaro

口寄せをするようになって、一番感じたのは、「みんな大事な方を亡くされていて、仏様に対して、本当にいろんな思いや、大切な思い出があるのだなあ」ということだった。口寄せを聞きながら、生前の家族の姿を思い出して涙する方。愛する人に再び会えたと、泣き崩れる方。何十年も前に死別した親御さんを降ろして、泣きじゃくるお年寄り。イタコの口寄せは、あくまでも身内か、生前に縁の深かった人が対象。その方とご縁のあった霊しか降ろせません。生きている方とつながりのある仏様の橋渡しをするのが、イタコの仕事なのだ。

2023/11/01

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