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ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS)

ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS)

ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS)

作家
ドン・ウィンズロウ
田口俊樹
出版社
ハーパーコリンズ・ ジャパン
発売日
2019-07-17
ISBN
9784596541192
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「ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS)」のおすすめレビュー

メキシコ麻薬戦争を描く、ドン・ウィンズロウ畢生の三部作『ザ・ボーダー』、ついに完結!

『ザ・ボーダー』(ドン・ウィンズロウ:著、田口俊樹:訳/ハーパーコリンズ・ジャパン)

 1975年からの30年に及ぶ、アメリカ麻薬取締局のアート・ケラーとメキシコ麻薬カルテルの戦いを描いた『犬の力』(角川文庫)。そこで一旦は逮捕したはずの麻薬王アダン・バレーラが脱獄し、悲惨な戦争へとなだれ込む10年を描いた『ザ・カルテル』(同)。日本でも圧倒的な支持を得たシリーズである。そしてついに、完結編となる『ザ・ボーダー』(ドン・ウィンズロウ:著、田口俊樹:訳/ハーパーコリンズ・ジャパン)のお目見えだ。

 物語の始まりは2012年。メキシコ麻薬王として君臨してきたアダン・バレーラが消息を絶って以降、メキシコでは束の間の(見せかけではあるが)平和な日々が続いていた。しかしその平和は、突然終りを告げる。アダンの〈息子たち〉が後継争いと縄張り争いを始めたのだ。麻薬取締局の局長に就任したケラーは、三たび、麻薬カルテルとの戦いに身を投じることになる──。

 前二作同様、幾つものストリームが重層的に物語を構成していく。アダンの〈息子たち〉という第三世代の争い。前作で刑務所…

2019/8/10

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クライムサーガの金字塔、ついに完結! ドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー』

 ラテンアメリカの麻薬戦争を圧倒的な熱量で描いた一大サーガの完結編『ザ・ボーダー』がついに日本上陸。ミステリー界を驚愕させた『犬の力』『ザ・カルテル』から続く壮絶な争いの結末は――。

   シリーズ第1作『犬の力』が日本で刊行されたのは2009年。疾走感と迫力に満ちたストーリーと現実社会を抉る骨太なテーマ、魅力溢れる人物造形で、一気に読者の心を掴んだ。  その年の年末ランキングでは上位を独占し、設立されたばかりの翻訳ミステリー大賞の第1回受賞作にも輝いたほどだ。「犬の力現象」と呼んでもいいほどの盛り上がりを見せたのである。  そんな『犬の力』は、1975年、メキシコ・シナロア州から始まる。麻薬取締局から派遣された若き捜査官アート・ケラーが、燃える罌粟畑を眺めている。メキシコから国境を越えてアメリカへ流れ込む麻薬を断つため、ヘロインの源を叩き潰す〈コンドル作戦〉の一場面だ。  そしてケラーは、現地の警官ミゲルと協力して麻薬組織を壊滅に追い込んだ。しかしそれはミゲルが組織のボスに取って代わるための策略だったのである。  ミゲルの甥、アダン…

2019/8/7

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ベストレビュアーを決めるのはあなた! 珠玉のレビューが目白押しの読書メーター×ダ・ヴィンチ「第4回 レビュアー大賞」第2次審査投票が開始

 日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』が連動し、ベストレビュアーを決定するコンテスト「第4回 レビュアー大賞」の優秀レビュアー24名が決定し、第2次審査投票が開始されました。

 同企画は、課題図書8作品のレビューを募集し、予選・本選を経て各作品ごとにベストレビュアーを1名ずつ決定。さらにその中から“ベスト・オブ・ベストレビュアー”を選出するというもの。

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【課題図書作品ラインナップ】 『東京會舘とわたし』上・下(辻村深月/文藝春秋) 『マチネの終わりに』(平野啓一郎/文…

2019/11/11

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スティーヴン・キング「やられた、それも完膚なきまで」 半世紀にわたる麻薬戦争を描いたシリーズの完結作『ザ・ボーダー』

『ザ・ボーダー』上巻(ドン・ウィンズロウ:著、田口俊樹:訳/ハーパーコリンズ・ジャパン)

 国境や法を超えて繰り広げられる麻薬戦争を描いた小説『ザ・ボーダー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)。“クライムノベルの金字塔”として名高いシリーズの完結に、「50年に及ぶ物語の完結。ずっと読んでいたかった!」「まごうことなき傑作だと思います」と熱狂の声が上がっている。

 同作はアメリカ出身の作家、ドン・ウィンズロウが手がけるクライムノベル。2005年から刊行が始まった大人気シリーズの第3弾で、物語の完結が描かれた作品でもある。これまでシリーズでは麻薬撲滅に取り憑かれた捜査官のアート・ケラーを主人公として、米国政府や麻薬カルテル、マフィアなどの思惑が交錯する壮絶な戦いが展開されてきた。

 シリーズ第1作目の『犬の力』では、メキシコを主な舞台として麻薬カルテルとの約30年にも及ぶ戦争が勃発。圧倒的な生々しさで描写される陰謀や裏切り、暴力シーンの数々は多くの人の心を掴むことに。海外の様々な文学賞にノミネートされた他、日本でも2010年度「このミステリーがすごい!」海外…

2019/10/5

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ザ・ボーダー 下 (ハーパーBOOKS) / 感想・レビュー

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W-G

感無量である。しかし複雑である。あえていう。ケラーの物語がウィンスロウの主張に踏みにじられていないか。大統領選を境にカルテルは存在感を失い、前作で描かれた死の数々とは、また異質な無意味さで続々退場。そしてケラー対アメリカに焦点が絞られる。数多の屍を乗り越えたケラーの終着点は、果たしてここであるべきだったか。この結末で、彼に内包された絶望や怒りがどこか曲げられてはいないか。”今”だからこその熱量でもあり、期間を置いて、”今”を振り返るれるようになってから描いて欲しかった気もする。とても複雑な作品だ。

2019/08/13

みも

『犬の力』『ザ・カルテル』から続く三部作完結。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』トルストイ『戦争と平和』と比肩しても見劣りしない。人生を懸け幾度も読み直し咀嚼し続けたい超大作。この三作目は終始、群像劇の手法を貫く。そこに描かれるのは、囮捜査官として神経を摩耗させる男であり、グアテマラから命懸けで脱しながら強制送還される少年であり、ヘロイン中毒ゆえに売春や殺人を犯す女性であり、麻薬戦争の波に呑み込まれ傷つき死んでゆくその他大勢の人間達だ。その元凶こそアメリカであると、著者は自戒を込めてケラーに語らせる。

2021/06/09

Tetchy

読書中、ここまで人生を賭け、生活を犠牲にし、心を病んで戦わなければならないものなのか、麻薬戦争というものは?との思いが頻りによぎる。だが作者は読者にそれを納得させる。彼は麻薬ビジネスに関わる人たちの点描を描くことで麻薬がでいかに人々を不幸にしていくか、悲惨な末路を丹念に描いていき、我々読者の良心に問いかける。麻薬戦争撲滅を己の正義として、信念として貫いたアート・ケラーという男の生涯は多くの罪を犯し、そして犠牲を伴った戦いだった。それはまさに現代の修羅道だ。もう彼との再会を望まない。静かにさせてやってくれ。

2020/03/26

遥かなる想い

下巻は 囮捜査官シレロの捜査から始まる。 アメリカとメキシコをめぐる麻薬の攻防 …トランプを彷彿させるジョン・デニソンの 登場は 物語に不気味な緊張感を与える。 ケラーが 闘うアメリカ政財界と メキシコの カルテルとの癒着の真実 …ひどく壮大な 物語だった。

2020/01/08

のぶ

上下巻1550ページにわたる長大な物語を読み終えた。中だるみすることなく大変充実した読書だった。下巻に入り上巻の激しい麻薬戦争は一段落し、人物のドラマに移っていった。しかし内容はほとんど麻薬に関すること。カルテルを撲滅すべく奔走するケラーのチームとのやり取りは読ませどころだった。「犬の力」からの3部作で徹底して麻薬を扱った物語で、ウィンズロウが描きたかったものは何だったのか?読み通して少しは理解した気がした。話題になっているメキシコとの壁についても、根深い問題がある事がよく分かった。

2019/08/21

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