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マチネの終わりに

マチネの終わりに

マチネの終わりに

作家
平野啓一郎
出版社
毎日新聞出版
発売日
2016-04-09
ISBN
9784620108193
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「マチネの終わりに」のおすすめレビュー

たった三度出会った人が、誰よりも深く愛した人だったら。『マチネの終わりに』が美しい理由とは?

『マチネの終わりに』(平野啓一郎/毎日新聞出版)

 人生の幸せを大きく左右するものの1つに、恋愛がある。誰と出会い、恋をして、そのまま2人は添い遂げるのか、それとも別々の未来を歩むのか。この選択を繰り返して私たちは最愛の人を見つける。

 しかし恋愛ほど、ちょっとしたことでもろく崩れてしまう幸せはない。あのときの、あの発言が、あの行動が、2人の心を少しずつすれ違わせてしまう。その発言や行動の裏には、恋愛とは関係ない場所で受けた感情や体調の変化が影響していて、それさえなければ2人の恋がうまくいくはずだったのに。

 まるでそれが運命であるかのように、互いの心が複雑に変化していく……。

『マチネの終わりに』(平野啓一郎/毎日新聞出版)は、天才クラシックギタリスト・蒔野聡史と国際ジャーナリスト・小峰洋子の2人の恋の行方を追った小説だ。

■たった三度出会った人が、誰よりも深く愛した人だった

 物語は、デビュー20周年記念として行われた国内外ツアーの最終公演日の終演後、舞台裏で行われたファンや関係者たちとの面会の場面から始まる。

 蒔野は演奏中からずっと彼女の存在が気にな…

2018/9/22

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福山雅治と石田ゆり子が初共演! 至高の恋愛小説『マチネの終わりに』実写化決定に大反響

『マチネの終わりに』(平野啓一郎/毎日新聞出版)

 小説『マチネの終わりに』が映画化され、2019年秋の公開が決定。福山雅治・石田ゆり子が初共演を果たすことも分かり、ファンからは「新たな“大人の恋愛映画”が誕生するのか!」「感謝しかないキャスティングだな」と大きな反響が巻き起こっている。

『マチネの終わりに』は、2016年に芥川賞作家・平野啓一郎が発表した恋愛物語。深く愛し合いながらも、決して一緒になることが許されない男女の姿を描く。同作は2017年に「第2回渡辺淳一文学賞」を受賞しており、“至高の恋愛小説”との呼び声も高い。

 福山はスランプに陥りもがく天才ギタリスト・蒔野、石田は婚約者がいながら蒔野と強く惹かれ合うジャーナリスト・洋子を演じる。映画化について福山は、「人が人を必要とするその時に名付けられる『愛』という感情。目には見えない無形の感情を、今作は可視化出来るのではないかと感じています」と自信のコメント。石田も「かつてこんなラブストーリーがあっただろうかと思うほどこの物語は多面体で、知的で社会的でもあります。人を愛するということの素晴らし…

2018/8/1

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マチネの終わりに / 感想・レビュー

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starbro

図書館の予約に大幅に出遅れてようやく読めました。出版されて1年4か月経過しているので、新作ハンターとして失格です。評判が良さそうなので、久々の平野啓一郎作品を期待して読んだのですが、大人のお洒落な恋愛事情といった感じで、あまり感銘しませんでした。アラフォーだと経験値からもっと素敵な恋愛が出来そうな気もしますが・・・

2017/08/03

Yunemo

5年半かけて3度の出会いで、こんなにも静かに、長きに亘り、揺れ惑う炎が燃え続けていた情景、どう捉えていいのか、ただ戸惑いばかり。未来は常に過去を変えている、変えられる、変わってしまう。この表現の正当性が何となく自身の中で消化できることに不思議感。抽象論も含めいろんな要素が詰め込まれています。ただ孤独というのが幅広い意味での世界への影響力の欠如、一番身近には男と女が含まれます。互いに慮るばかりにすれ違いの連続。あくまで日本的な心情の積み重ねに心惹かれます。人生の折り返しの年齢でのこの切なさ、感じ入って読了。

2016/06/19

ウッディ

ギタリストの蒔田は、自身のコンサートの打ち上げで国際ジャーナリストの洋子と出会い、お互いに惹かれあう。遠距離、ギタリストとしてのスランプ、テロによるPTSDなどの数々の障害を克服して、交わるかに思われた二人の人生は運命のいたずらで引き裂かれて行く。久々に読んだ大人の恋愛小説でした。ゆっくりと育んだ愛が、一通のメールを機に壊されてしまう不条理に歯がゆさを想いながらの読書でした。ジャリーラと三人で過ごした夜のシーン、セントラルパークでの再会後、二人はどうなるのかという余韻を残したラストなど美しい物語でした。

2018/06/01

風眠

「未来は常に過去を変えている」クラシックギタリストの蒔野が、国際ジャーナリストの洋子に語った言葉は、実感を伴って私の胸にも響く。その時には、これ以上の関係にはなれないだろうと思っていた人。長い月日を過ごし互いに心寄せていても、ふたをして閉じ込めていた想い。物理的に離れてしまうというきっかけがなければ、きっと今も想いを言わずにいただろう。ニューヨークでの「マチネの終わり」に、再会した蒔野と洋子。ふたりの未来は過去を変えるだろうか。終わるかもしれない、終われないかもしれない。切なさが尾を引くラストが美しい。

2016/09/22

遥かなる想い

平野啓一郎が描く大人の恋の物語。 現在は過去を変えてくれるのか.. 抑え気味の筆致と 清冽な心の交流が心地よい。 蒔野聡史と 小峰洋子の恋..すれ違いが 二人の人生を変えていく..「マチネ」とは 午後の演奏会らしいが.. 最後は心が和む、上質な恋の物語だった。

2016/11/03

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