炎と苗木 田中慎弥の掌劇場
炎と苗木 田中慎弥の掌劇場 / 感想・レビュー
そうたそ
★★☆☆☆ 作者は自分には長編より短編が向いていると最後に述べている。個人的にもそれは確かにそうだなと思う。なぜなら長編が駄作だったからに他ならない。でもこの掌編という形式にもなれば、今度は逆に物足りなさが出てきてしまうかな。別に明確な起承転結のあるものを求めているわけではないのだが、解釈はこっちに委ねられてるの?と思うような作品が多々。自分としては掌編といえばどうしても川端康成の「掌の小説」ばかりが思い浮かぶから、そういうイメージが先行してしまいがちになるのだろうか。いずれにせよ消化不良。
2016/06/12
浦
毎日新聞に連載されていた、田中慎弥さんの超短編集第二弾。前作からさらに手慣れた感じで、形が出来上がっているようだ。この人の作品は好きなんだが、最近はだんだんやたらと左翼的になって来ているのが残念。左に振っておけば一定の支持者は着くだろうし、毎日新聞のウケもいいだろうけど…。新聞連載はこれでやめたらしいので、また内面を見つめた小説を書いて欲しい。
2016/07/26
カタコッタ
掌小説を書くことは難しい事なのだろう。田中慎弥の凄さを読者は知る事になる。☆4
2016/08/16
クララ
新聞に連載されていた短編をまとめた作品。短いのに、こんなに何かを感じさせるとは…毛嫌いしていてごめんなさい田中さん…
2016/10/18
yashi_masa
凄い、としか言いようのない完璧な仕上がり。衒う訳でもなく、己の中から又は道端に転がった著者にしか見えない言葉を紡いで描かれる全44篇の掌小説。長編は何から何まで説明しすぎている感が否めない。ただ、それが悪い訳ではない。私たちの日常には瞬間という時間の流れが存在している。その瞬間には能書きがない。直感といってもいいかも知れない。大概の場合は忘れてしまって無かった事になる。それを偶像化したものが写真なのだが、著者はそれを文字で表現してしまった。長編には見当たらない瞬間が生きている物語たちだった。
2016/07/11
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- ISBN
- 9784813804383