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人間

人間

人間

作家
又吉直樹
出版社
毎日新聞出版
発売日
2019-10-10
ISBN
9784620108438
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「人間」のおすすめレビュー

芥川賞作家・又吉直樹の最新作『人間』。過去の作品にも見られた、根底に漂うテーマとは

『人間』(又吉直樹/毎日新聞出版)

“僕達は人間をやるのが下手だ。”

 又吉直樹さんの最新作『人間』(毎日新聞出版)発売時のキャンペーンでは、帯にも書かれたこの言葉をTシャツにプリントした書店員が店頭に立ったそうだ。

 又吉さんのデビュー作であり、芥川賞を受賞した『火花』(文藝春秋)は芸人を志す若者の青春が描かれた。映画やドラマでもこの作品に触れた人は多いだろう。2作目の『劇場』(新潮社)は、若い男女の恋愛小説。そして本作『人間』で又吉さんは、38歳の「僕」と彼を取り巻く人々が「人間をやること」を、若かりし頃の回想と現在を行き来しながら描かれている。

 主人公・永山は、「自分が生きてきた三十八年間は嘘ばかりで、からっぽだったのかもしれない」と、空虚な生活を送っているイラストレーターだ。誕生日にも、寝覚めの悪い夢を見て、ベッドから起き出て、特段美味しいわけではないコーヒーを飲む。パソコンの電源を入れると、見慣れた受信トレイに、もう何年も連絡をとっていない友人からのメールが混ざっていた。メールのタイトルは、「踏むことのなかった犬のクソみたいな人生(笑)」。…

2019/11/19

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【前編】しんどかった青春時代を肯定し、これからを生きていく。又吉直樹、最新作『人間』を語る  青春のきらめきと儚さを、デビュー作『火花』、第2作『劇場』描いてきた又吉直樹。が、第3作にして初となる長編小説『人間』の主人公は、著者と同じ38歳という設定。自意識に揺れ苦しんだ青春時代に囚われながら30代以降の人生を生きる主人公に、読者は自分を重ねて、「しんどいなあ」と感じるだろう。しかし読み進めるうちに、もがき苦しんだ過去を肯定し、これからを生きる勇気が湧いてくるはずだ。

 青春時代の苦しかった過去とそれを引きずる現在。そんな内なる葛藤に、今回の『人間』執筆で、いかに区切りをつけたのか? そして「書きたいこと」を出し尽くした今、又吉直樹は次作、次々作はどんな作品を生み出すのか、聞いてみた。

『人間』(又吉直樹/毎日新聞出版)

――あらためて発表から2か月が経った今の、又吉さんが定義する「人間とは」をお聞かせいただけますか。

又吉 自分が人間であることを疑いようがない人たちは、「人間ってなんやろ?」とか、あんまり考えないと思うんですね。考えないのが悪いんじ…

2019/12/31

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しんどかった青春時代を肯定し、これからを生きていく。又吉直樹、最新作『人間』を語る【前編】

 青春のきらめきと儚さを、デビュー作『火花』、第2作『劇場』描いてきた又吉直樹。だが、第3作にして初となる長編小説『人間』の主人公は、著者と同じ38歳という設定。自意識に揺れ苦しんだ青春時代に囚われながら30代以降の人生を生きる主人公に、読者は自分を重ねて、「しんどいなあ」と感じるだろう。しかし読み進めるうちに、もがき苦しんだ過去を肯定し、これからを生きる勇気が湧いてくるはずだ。

 発売から2か月経った今、又吉直樹に小説『人間』、そして「人間とは何か?」を語ってもらった。

『人間』(又吉直樹/毎日新聞出版)

■青春と決別し、ここから「生きていく」

――又吉さんはこの『人間』に、すべてを注ぎ込んでいる、と感じました。たとえば朗読会(又吉直樹が定期的に行っているイベント「『やぁ』、朗読会」)で発表された短編が、エピソードにさりげなく使われていたり。一本の作品として充分成立するものをいくつもこの長編に投入されているという点で、並々ならぬ思いを感じました。

又吉直樹氏(以下、又吉) そうですね。意図的に出がらしの状態を作りに行っているところはありますね。自分の…

2019/12/30

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人間 / 感想・レビュー

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starbro

又吉 直樹の小説は、全作品読んでいます。初の新聞連載小説にて、長編、著者の意気込みが感じられました。ネタや比喩満載ですが、最終的なオチはありませんでしたが、人間は十分描かれていると思います。私の好きなゴッホの『夜のカフェテラス』が効果的に使われていました。著者は、『人間失格』を100回以上読んでいるようですが、私は1回も読んでいません(笑)10月は、本書で読了です。

2019/10/31

ウッディ

青臭い芸術論、才能への嫉妬など持ちながら「ハウス」で暮らしていた芸術家の卵たちのその後を描いた物語。普通を拒絶し、エキセントリックに生きる主人公の永山、芸人でありながら書いた小説が芥川賞を取った影島、コラムで影島を批判しネットで炎上した仲野、三人とも又吉自身を投影した姿のように思えた。毒にならない事を話し、安全地帯からの他人への批判、そんな自分が嫌う事への徹底的な攻撃、そしてそれを傍観する自分、物語の中で交わされる議論は、又吉の脳内での葛藤であり、だから読者が理解できない部分も多くあったような気がする。

2020/11/04

いっち

人間をやるのが下手な人におすすめ。主人公に一通のメールが届き、学生時代を思い出す。かつて芸術家を目指す人たちが集まるシェアハウスに住んでいた。そこの住人の作品展で主人公の作品が編集者の目に留まり、出版された。しかし、作品のアイデアは別の同居人のものではないかと疑われる。嫉妬が飛び交う。主人公のバイブルは太宰治『人間失格』。又吉さんも同じ。人間をやるのが下手=人間失格。だが、人間をやるのが下手でも失格ではないから、タイトルが『人間』なのだろう。「自分は人間が拙い。だけど、それでもいい」。又吉版の『人間失格』

2019/10/14

ゆのん

【NetGallery】物語の半分位まで非常に長く感じた。様々な蘊蓄を垂れ流す自称表現者達に感情移入出来なかったのも長く感じた理由なのかもしれない。その後は登場人物の声を借りて作者が言いたい思いが感情的に書かれている感じがしてなかなか厳しい状況。200頁越えた辺りから少しづつ面白くなり最後は所々笑いながら読んだ。最高で最低で可愛らしく憎らしい、でも、だから人間なんだ。時には美しく時には汚く、自分の事すら満足に分からないそれもまた人間なんだ。人間やっていくのは大変。278

2019/09/14

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2019/11/26

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