読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

感情を出せない源氏の人びと―日本人の感情表現の歴史

感情を出せない源氏の人びと―日本人の感情表現の歴史

感情を出せない源氏の人びと―日本人の感情表現の歴史

作家
大塚ひかり
出版社
毎日新聞社
発売日
2000-01-01
ISBN
9784620314129
amazonで購入する

感情を出せない源氏の人びと―日本人の感情表現の歴史 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

getsuki

図書館本。記紀神話から始まる人物の感情の描き方を追っていく形式を取っているため、余計に源氏物語における感情のコントロールというか、とにかく表に出さないのが貴族のたしなみであり美徳、というのが一種異様に感じられる。しかし、この風潮が約千年たった現代に通じてしまう事実がなお恐ろしい。源氏の訳本、宇治十帖が中々進まない理由が分かって気持ちが楽になるなど……薫にイラっとする理由も……(苦笑)

2014/09/29

ず〜みん

図書館の本で読破。平安時代も今の時代も『空気を読む』ということが重大かつ最優先の出来事になっているからか、とても共通点が多い様に感じた。男は泣く、女が笑う古代から、アルカイックスマイルを彷彿とさせる時代へ。源氏物語の登場により、大きな転換を迎えたことが読み取れた。

2012/12/26

ムージョ

記紀から平家物語まで古典の中で表現されてきた日本人の感情を考察。源氏物語における老人の扱いのひどさにびっくり。儒教が広まる以前だからというだけではないだろう。源氏が中年以降はけっこう疎まれていくのに笑った。平安貴族の生ける屍のような、出家したほうがマシな人生ってなんだろう。最終的に品は落ちてもちゃんと生きてる地方の受領階級や武士が力を持ってくるのもむべなるかな。ただ武士も最終的には感情抑制になっていくのだから結局同じような気もする。感情表現の抑制と仏教の関わりは興味深い。

2016/04/10

文化や政治などが高度に進化していくにつれ、人間の感情表現もより複雑になってくるであろうことは推測がつくのだが、こうして古事記から文学の感情表現を追っていくと、古代最長の時代である平安時代は国風文化の爛熟とともに人間の二面性の感情コントロールもかなり高度化してきているのがわかる。

2012/12/20

れじーな

「源氏」を境に感情表現がより進化し、それ故に精神的に押し込まれていく、という説には納得したのですが、それよりも年を取ることによって涙もろくなったり感情的になったりすることを悪し様に言うのが当然という風潮の方にびっくりしました。笑うという行為が冷笑、嘲笑を指すのだと知って、漸く源氏が柏木に当てこすった「笑い」の意味が解けましたが…。感情を隠すことは人間関係を円滑にする有効な方法であるというのは今にも通じるのですよね。怖いことです。

2010/08/21

感想・レビューをもっと見る