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この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ

この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ

この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ

作家
柳田邦男
出版社
毎日新聞出版
発売日
2022-03-03
ISBN
9784620327259
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この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ / 感想・レビュー

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trazom

半世紀近く「危機管理」に関わる発信を続けてこられた柳田邦男さんの集大成ともいえる一冊。メインは、コロナ対応、東日本大震災と福島原発事故だが、危機管理を放棄した原点が水俣病事件にあることを思い知らされる。危機に際しての政治家の言葉の貧困、官僚の事なかれ主義、企業経営者の無責任、現場に立たずに無罪判決を下す司法などが、ケーススタディを通じて明らかにされ、「組織事故」という社会の構造的な欠陥を浮き彫りにする。具体的で説得力のある説明に納得するも、この隘路から抜け出す光明が見えないもどかしさで暗澹たる思いになる。

2022/04/10

サトシ@朝練ファイト

政治の言語崩壊・時々刻々の章を読むと為政者により国の内側から壊れていくのが一番恐ろしいと思うが、為政者を選ぶのは国民であると言うことを忘れてはならない。

2022/05/14

まゆまゆ

新型コロナ感染症対応や東日本大震災といった災害が起こるたびに批判される政府の危機管理対応について語る内容。ドイツのコロナ対応との比較にがっかりしつつ、原発事故対応に打ちひしがれる。今だけ自分だけしか考えない政治家と官僚によって想定外が切り捨てられて想定すらされないことが本質ではないか。

2022/08/18

ろべると

柳田邦男さんの航空事故などを扱った本は昔よく読んだ。綿密な取材をもとに冷静に真相に迫る内容に強く惹きつけられたものだ。近刊である本書では、前半では主に東日本大震災での原発事故を取り上げ、事前に警鐘が鳴らされていながら握りつぶし、事故発生後も予見不可能と開き直った東電や政府周辺の対応が告発される。後半はその勢いで当時の安倍政権がやり玉に上がり、怒りでヒートアップしているようにも感じる。前半が文藝春秋、後半は毎日新聞連載というのも面白いが、弱者に真摯に向き合おうとする柳田さんの一途な思いは十分に伝わってくる。

2022/08/03

司馬太郎

学者による学術的な証拠を無視した結果、巨大津波に襲われて全電源喪失からメルトダウンへと破滅的な事故になった。為政者といえども全知全能の神ではなく、全ての事態に完璧に備えることはできないが、非常用発電機を地下ではなく高台に設置し、気密性のある仕様にすることくらい造作もないことだったはず。限られた任期の間、大過なく過ごすことが目的になっている官僚とみこしに乗っているだけの政治家。このシステムが変わらない限り、天災と称する人災が続いていく。失敗の本質はこのシステムにあると感じた。

2022/10/18

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