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自分だけの部屋 (ヴァージニア・ウルフコレクション)

自分だけの部屋 (ヴァージニア・ウルフコレクション)

自分だけの部屋 (ヴァージニア・ウルフコレクション)

作家
ヴァージニア・ウルフ
Virginia Woolf
川本 静子
出版社
みすず書房
発売日
1999-04-01
ISBN
9784622045021
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自分だけの部屋 (ヴァージニア・ウルフコレクション) / 感想・レビュー

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とよぽん

高橋源一郎さんがNHKのラジオ番組で紹介していた。1928年にウルフがイギリスの女子大学で講演をした、その草稿をまとめた本。ウルフの主張は、女性を抑圧し女性の自立をはばむ家父長制社会を痛烈に弾劾したこと。そして、女性は未来の女性のために勇気をもって大いなる連帯をしなければならないこと。であった。それから90年余り年月が過ぎた今の世界を、ヴァージニア・ウルフが見たら・・・。

2020/07/04

壱萬弐仟縁

1928年初出。 1988年邦訳初出。 お金持は、貧乏人たちが彼らの富 を奪いたがっているのではないかと 疑い、怒っています(51頁)。 キーツもフロベールもカーライルも、 創造力の盛んな若い頃は狂気と失意に 苦しんだ(78頁)。 人生は、人生ならざる何ものかと 衝突(108頁)という表現が 出てくる。 これは、人生の機微なのか。 女性の書く本は、男性の書くもの よりも、より短く、より濃縮し、 かつ長時間ぶっ通しに中断されずに 仕事をせずともすむよう構成されねば ならない(117頁)。    

2014/06/11

tona

ウルフの有名な「年に五百ポンドの収入とドアに鍵のかかる部屋」の必要性を説いた講演を基にしたエッセイ。講演自体は1928年とすでにダロウェイ夫人やオーランドーなど主要な作品は出版された後であるため、16世紀から20世紀初頭にかけての「女性と小説」にめぐる環境について語りながらも、彼女の小説に対する独自の意識が窺える。1970年代のフェミニズム批評による再評価以降、現代の女性作家に強い影響力を持ち続ける作家であるため、現代の文学を理解する上でも重要な一冊と言える。

2013/09/17

Keita Haga

筆を手に取る女性は、年五百ポンドと鍵のかかる部屋を手に入れ、男性との関係の世界だけではない、現実世界と向き合う必要がある、という結論。男性の考え方のみでは「両性具備な偉大な精神」を産みだすのは出来ず、男性が自らについて自分のみでは描けないところを女性が自分に素直に書く必要がある、とも。

2013/11/18

amanon

フェミニズム関連本の必読書と言えるものだが、この講演から百年ばかりの間に女性を巡る事情が劇的に変わってしまったということに驚かざるを得ない。この講演が行われた1928年当時の女性は今では信じられないくらいに抑圧されている。特に女性が学問や執筆活動から遠ざけられたという事実は、日本においては紫式部や清少納言などの優れた文学者が既に平安時代に登場していたことや、文明開化から四半世紀程しか経ていない頃に樋口一葉という文学者を生んだという事情を考えると、実は日本は意外と女性に寛容だったのではないか?とさえ思える。

2011/10/26

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