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ウンベルト・サバ詩集

ウンベルト・サバ詩集

ウンベルト・サバ詩集

作家
ウンベルト・サバ
Umberto Saba
須賀敦子
出版社
みすず書房
発売日
1998-09-01
ISBN
9784622046585
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ウンベルト・サバ詩集 / 感想・レビュー

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YM

お気に入りさんの素敵な感想に惹かれて。サバさんがどんな方なのか全く知らなかったけど、言葉が心にしみるとはこのことか。日常を悲しみと愛で紡いだリアルな詩は、すでに僕のそばに寄り添ってくれている。

2015/01/03

市太郎

この詩を読むと私は寂しくなる。訳者の須賀敦子さんの旦那さんが亡くなり、その哀愁漂う解説にも影響されたのかも知れない。ただ、それは嫌な寂しさではない。サバの温かい感性がにじみ出ていて、何とも言葉にならず、”寂しい”としか言えない感情を私に与えてくれる。派手なものは何もない。それでも詩心ゼロの私に訴えかけてくるものがある。ゆったりとして穏やかだけれどやさしい確かな言葉。サバのことは何も知らないが、のんびりパイプを吸いながら「まぁまぁ、嫌なこともあるけど、この世界の愛もそんなに悪くないよ」と諭されているようだ。

2013/12/23

るんるん

須賀敦子さん訳で。いや、ぼくは、こういいたい、きみが、冬のさなかに、冷えきった、きみの肩をむらさきのショールでつつんでいると、それはやっぱりきれいだったし、はじめて会った日からこれまでの、ぼくの最良の思いにきみの横顔は、似ている。あの日から、いつもきみをそばにひきよせ、きみの愛にみちたたましいのまわりで、ぼくは仕事をした。いまはもうない、むかしの悩みから、ぼくは、きみのたましいを、自由にした。

2014/10/28

くみ

須賀敦子さんの夫ペッピーノが大好きだったという、詩人ウンベルト・サバ。2人の思い出の詩人に触れたくて初めてその詩を読みました。感情がさらりと表現されているのに、どこか重みがある。大変な時を過ごしてきた人の突き抜け感と経験値だろうか。そして詩人なんで愛も語ってますが、これがなかなか深い。。照れるんじゃ、こんなの目の前で朗読されたら、、と思っていたけど、ペッピーノはこれを須賀さんに囁いていたわけ?!淡白に見えて情熱的だったんだな〜!と他所様の恋愛のやわらかい部分を垣間見た気がしました。

2018/07/28

おおた

人間の営みに素朴に感嘆しているおじさん。どうしようもなくて感情的でちょっとえっちだったりする人間世界が、彼にはこう写っているのかと不思議なレンズを覗いたようなおもしろさがある。「閉ざされた狂気に潰えて死ぬなら、それでいい。愛する紙たちのうえに、多くを見たこの目を閉じることができたら」なんてロマンチックなことも時々言い出すからどきっとする。絶望ばかりしているけど根はおおらかな大地のような詩人。

2018/09/01

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