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昨日の世界〈2〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈2〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈2〉 (みすずライブラリー)

作家
シュテファン・ツヴァイク
原田義人
出版社
みすず書房
発売日
1999-03-11
ISBN
9784622050353
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昨日の世界〈2〉 (みすずライブラリー) / 感想・レビュー

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風に吹かれて

ツヴァイクが1940年に書いた本著作には彼が交流を深めた多くの人々が登場する。ヒトラーの軍靴がヨーロッパに響き渡ると故国オーストリアを離れ流浪の人となり、1942年、ブラジルで自死するのだが、イギリスにいたときオーストリアを離れたフロイトとの交流を描いている箇所は一編の静かな映画を見ているようだった。 前半で彼の青春とともにヨーロッパの青春を描き、後半では再び戦争に向かうヨーロッパと、そして彼自身の終焉を書いた。第一次世界大戦時の尽力を第二次世界大戦でも繰り返す気力がツヴァイクにはなかった。➡

2020/01/31

ぱなま(さなぎ)

ヒューマニズム、精神的結合、ヨーロッパの統合、そのために人生をささげたツヴァイクが、第二次世界大戦のさなか絶望を覚えて自ら死をえらんだことを悼む。そしてそこにさえ彼の思想における一つの美意識が貫かれているとさえ思えてしまうところもまた悲しい。『昨日の世界』の時点では、この戦争を乗り越えた後にまた一から作り上げる時代がくるという希望の示唆もあるわけだけれども、その一方で、老齢を迎えてユダヤ人として追われ、故郷を失ったまま放浪を繰り返すことに疲れ、新しい時代を見届ける力がもはやないと感じていることも痛いほど→

2020/05/24

貴人

ツヴァイクだけでなく当時の人々が信じていた進歩、平和、ヨーロッパの協調、権威への信頼、全ての事柄が戦争によって失われた。今ままでの戦争とは違う、万民の万民に対する闘争。ラジオが、交通の進歩が、人々を世界と結びつけた力は恐怖と暴力まで広めてしまった。かけがえのない物を失って、ヨーロッパは文化と平和を渇望する。しかし、フロイトが予言したように人類のタナトスとも言うべき根源力は、より正気でない熱狂という呪われた甘露に世界を導く。エラスムスやモンテスキューの著作に込められた想いが痛切に心に響く。

2015/01/30

Nobuko Hashimoto

Ⅱ巻は世界大戦と戦間期の記録。ツヴァイクは戦争への関与や戦意発揚への加担を嫌い、戦時中に平和を唱える論文や戯曲を発表するなど、平和主義者、ヒューマニストであり続けた。どの党派にも属さず、「政治性を持たない」ことを徹底したツヴァイクの「個人主義」に対しては、同時代人や後世の批評家からの批判もある。しかし、ツヴァイクの思想と、彼が書き残した『昨日の世界』には、今日の世界から見ても再評価すべき点があるように思う。

2017/04/27

em

歴史通のコスモポリタンを自任し、ヨーロッパを行き来して多くの文化人と交友を持ったツヴァイク。その眼を通して見た、第一次~第二次大戦に到るまでの”昨日の世界”。残りページが少なくなってはたと気づいた、ああこの人は戦争の行く末を知らなかったんだ、と。稀有な自伝であると思います。

2017/03/28

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