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子どもたちのいない世界

子どもたちのいない世界

子どもたちのいない世界

作家
フィリップ・クローデル
Philippe Claudel
高橋啓
出版社
みすず書房
発売日
2006-11-21
ISBN
9784622072577
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子どもたちのいない世界 / 感想・レビュー

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けろりん

献辞に、「うちのプリンセスのために」とあるように、読み聞かせや、子どもが一人で読むのにちょうど良い長さの20編のお話が、ピエール・コップのクレヨン画と共に楽しめる一冊。しかし、お話には、かなりシュールで辛口なものが混じっているのでご用心。でも子どもって、残酷だったり不条理な物が大好きだから…と、愚息の小学校で読み聞かせボランティアをしていた時、五年生の教室で表題作を読んだら、ドン引きされた苦い思い出が。…それはさておき、相聞歌のような『パパ世界について話してよ』『五月はめぐる』は、涙なくしては読めませぬ。

2022/01/20

きゅー

子ども向けのおとぎ話のようで、むしろ子を持つ親にむけて書かれているような20篇の物語と詩。それらは時として痛ましい現実を描写するが、「五月はめぐる」での父と娘の会話には心打たれる。父はいずれ娘が旅立つことを哀しくも確信し、娘は未来への頼りない希望を夢見ているような、ひそやかな断絶があろうとも、彼らの交流は美しい。そして娘が、これから何度もめぐる五月を今から恋しく思う時に、父は今この一瞬、娘が自分を愛してくれているこの一瞬をとても貴重なものとするその気持ちに、強くうなづいてしまうのだった。

2012/04/20

みなみ

憲法学者の木村草太がクローデルの「リンさんの小さな子」を薦めていたので読みたかったのだが、たまたまこっちを手に入れたので読んでみた。短い寓話集で、皮肉のきいた内容が面白い。「妖精はつらいよ」の女の子はツッコミが厳しすぎる。妖精は汗どころか涙目だろう…学校のノートが紙を貼られてどんどん太っていく「でぶのマルセル」も面白かった。

2020/10/15

刳森伸一

子供向けの物語集だけど、クローデルの筆は容赦がないというか、相手が子供だからといって馬鹿にせず真っ向から物語を編んでいて、それ故に大人も楽しめるものになっている。

2018/07/09

Maki Uechi

★★★★★ クッキー缶に詰め込んだ宝物のようなお話たち。波に削られた瓶の欠片とか貝殻とかチケットの半券とかおいしそうな消しゴムとかをそっと見せてもらったような。ピエール・コップのクレヨン画もすごく良い!素敵な本です。

2015/08/01

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