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パゾリーニ詩集

パゾリーニ詩集

パゾリーニ詩集

作家
ピエル・パオロ・パゾリーニ
四方田犬彦
出版社
みすず書房
発売日
2011-02-18
ISBN
9784622075851
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パゾリーニ詩集 / 感想・レビュー

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踊る猫

几帳面な三行詩が収められている。その内容は、ファシズムと共産主義の嵐が吹き荒れたイタリアを謳うものが大半で甘ったるいロマンスは全くと言っていいほど収められていない。パゾリーニに関しては不勉強なもので映画すら観たことがないのだけれど、イタリアの重要な文化人であることが分かり収穫だった。四方田犬彦による訳詩の功績は大きい。だが、もしこれを他の翻訳者が(四方田には申し訳ないが、もっとイタリア語を解する人物が)訳していたらどうなっただろうかというないものねだりも抱いてしまう。とはいえ、これはこれで偉業と言えるはず

2019/01/31

ロビン

映画監督・作家・劇作家・詩人と多彩な才能を持つ知識人にして芸術家ピエル・パオロ・パゾリーニの詩集。映画は未見であり、最後は少年に惨殺されたという事実も今回初めて知った。また共産党員だったが、未成年への淫行疑惑事件が原因で除名されたり、63年には短編映画が国家宗教侮辱罪に問われるなど多難で伝説的な人生を送った人である。詩は読めそうでいて難解であり時には政治的で激しい。そぼふる雨やかそけき光のような繊細な言葉と共に、スラムやエゴイズム、ファシズム、チンピラといった言葉が並び、幻想と現実が混ざり溶け合っている。

2020/07/07

メルセ・ひすい

14-82赤78 きみ知ってる? 20世紀を代表する伊太利の詩人とは。前半はウンガレッティ・・・わが国ではゴダールと並んで映画監督、同理論家。でもでも才気の鬼気迫るパワーは詩・全てを詩に捧げた。53歳の死「僕は様々な情熱を生きたが、それを知る者は少ないと知った。」`75 不可解な強靱に倒れる。親友モラヴィアは死を悼んで「今世紀後半の伊太利語で書いた最大の詩人」と表現した。異端と醜聞、歴史と性愛の交錯点で、20世紀イタリアを駆け抜けた不世出の詩人の、生涯各期のベスト詩作品を翻訳した一巻本選集。

2011/04/06

watershed

蝉が真冬に尋ねます。 ぼくはいつ出て唄うのか? 世界のすべては明るくて 凍てつくように動かない あちら側では空は静か こちらに来たとて何を見る? 雨、霧、地獄の涙のみ。 ぼくは眉目麗しき少年、 日がな一日 泣いている お願いですからイエス様、 死なせはしないで、このぼくを。 イエス様、イエス様、イエス様。 ぼくは眉目麗しき少年、 日がな一日 笑っている。 お願いですから、イエス様 死なせてください、このぼくを。 イエス様、イエス様、イエス様。

2020/07/24

にっつぁん

生きているという感覚が 誰にも同じだというだけで、充分ではないか。 訣別と祝福より

2011/03/25

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