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森のなかのスタジアム――新国立競技場暴走を考える

森のなかのスタジアム――新国立競技場暴走を考える

森のなかのスタジアム――新国立競技場暴走を考える

作家
森まゆみ
出版社
みすず書房
発売日
2015-09-26
ISBN
9784622079491
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あらすじ

2011年2月の「ラグビー議連」による決議に始まり、2012年11月の国際デザイン・コンクールによるザハ・ハディド案決定、2013年9月の2020東京オリンピック決定をへて今日まで、新国立競技場建設の迷走はつづいている。問題は建設費用や維持費、工期などコストや時間の問題だけではない。建築のあり方、神宮外苑という場での環境、景観、住民問題など、IOCの「アジェンダ21」を無視し、建築関係者など多くの専門家の意見や市民の反対にもかかわらず、新国立競技場建設計画は突き進められていった。数々の記憶のつまった前の国立競技場が解体され、神宮外苑の木々も伐採された今になって、安保法案がらみの政治判断もあり、2015年7月17日、安倍首相によって「現行の新国立競技場建設プラン」は白紙撤回になった。しかし、これから事態がどのように進んでいくか、まったく見えてこない。「いらないものは作らせない。大事なものは残す」。本書は、当初よりこの問題に取り組んできた著者および「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の2年間の活動記録を中心に描いたものである。槇文彦はじめ建築関係者との協力、JSC(日本スポーツ振興センター)とのやりとり、東京都や地域住民との接触など、事の始まりから現在、そして未来まで、この暴挙の全貌と課題がここに明らかになるだろう。巻末には関連年表など貴重な資料を付した。「これは政治運動ではない。あくまで、知られないうちに決まってしまった公共工事が環境を破壊し、次世代へのツケとなるのを防ぐための市民として当然の活動なのだ」

森のなかのスタジアム――新国立競技場暴走を考える / 感想・レビュー

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izw

2020年東京オリンピック開催が決定した翌月(2013年10月)から阿部首相が白紙撤回を宣言する2015年7月まで、ザハ・ハディド氏デザインの新国立競技場建設反対を訴え続けた「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の闘争記録である。森さんは建築の素人だけに、分からないことを必死に分かろうとする過程が残されていて、論点がクリアであり、「手わたす会」の憤り、焦り、戸惑いが、行間からひしひしと伝わる。旧国立競技場は解体されてしまったが、新たに構想される新国立競技場にこれまでの活動が結実することを期待する。

2015/10/27

水無月

政治や特定の思想によることなく、おかしい、と思うことはおかしいと言い続ける。わからないことは真摯に理解する努力を続ける。実は難しいことだけど、今こそそれが必要だと思わされた記録。修復された東京駅を見る度にこれが駅ビルにならなくて本当に良かったと感じるが、それも地道な市民運動から始まった。高層ビル化を推進していたJRや東京都はこの結果をどう思っているのか。新国立競技場問題でも根は同じか。個人的にはオリンピックは好きだけどギリシアのどこかの島に会場を固定してやればというジョーダン・サンド氏案に一票。

2015/11/20

長老みさわ/dutch

遅まきながらマスコミも大騒ぎしだし、とうとう当初案は白紙撤回となった新国立競技場の計画反対の市民運動で先頭に立って活躍した森まゆみさんの記録。保存に対する考え方は私とは立ち位置が違うのを実感した。 公表されてない事実とか隠された詳細とかを期待したけれど、ほぼ既知の事ばかりで、「とある市民運動の記録」として読むのがいいみたい。

2015/11/19

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