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富岡日記 (《大人の本棚》)

富岡日記 (《大人の本棚》)

富岡日記 (《大人の本棚》)

作家
和田 英
森まゆみ
出版社
みすず書房
発売日
2011-02-18
ISBN
9784622080879
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富岡日記 (《大人の本棚》) / 感想・レビュー

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ハイランド

萌える日記文学としてつとに有名な本を読んでみました。確かに楽しい女工ライフ、十分萌えましたが、それ以上に明治初めの武家の娘たちの持つ気概、強烈な使命感とプライドに圧倒されました。富岡製糸場でのキャッキャウフフも楽しいんですが、松代に帰ってからの六工社の立ち上げもまた読み応えがありました。明治維新後の奇跡の日本の工業化の原動力を一工女の日記から感じられました。しかしそれが女工哀史の悲劇を生み、また富国強兵が太平洋戦争へつながっていくと思うと、複雑な思いにもかられます。明治という時代を知るのに重要な一冊。

2016/03/25

はる

面白かった。16歳の士族の娘、和田英が官営富岡製糸場の工女として働いた日々を回想した日記。美しい日本語、毅然とした態度の一方で、10代の少女らしい素直な想いも丁寧に綴られている。病気の少女を賢明に看病したり、夜中の廊下が怖くてみんなでくっついていったりする場面が可愛い。当時の世相も興味深い。森まゆみさんの解説も良かった。

2020/12/17

月島雫

日本初の機械製糸工場、富岡製糸場で実際に女工として勤めていた方のエッセイ。製糸場の女工さんというと厳しい労働環境で働かされたというイメージがありますが富岡製糸場ではそんなことはなかったとわかりました。ここで学んだ技術を自分のお国に持ち帰り発展させるために皆が活き活きと自ら進んで業を磨いていた様子が伝わってきます。そんな中でも夜はお化けに怯える様子や官営ならではの感情「山口県民を優遇している!」という声が噴出するところなど面白かったです。富岡製糸場が世界遺産に登録されるように陰ながら応援したいと思います。

2014/04/21

壱萬弐仟縁

奥付によると、和田英さんは信州松代生れ。伝習工女として技術習得。後に製糸教授に。「夕涼み」という項目(38頁~)。信州人が盆踊りをおどるので、山口県の者も負けぬように踊るのが宜しいと。月給は、1等1円75銭、中廻り2円(44頁)。私は根が不器用でありますから、入場後もその苦心は一通りではありませぬ(83頁)。謙虚な姿勢が感じられる。松代には千曲川があり、越後は大豆小豆が出来ぬ国だから、松代の大豆を遣わし、 鯡(にしん)・鰯の肥料を持帰り、農作物の肥料にしたなら、一挙両得(120頁)。 

2014/07/25

007

★★★☆☆ 明治初期に信州から赴いた女工さんの回顧記。先ごろ富岡製糸場が世界遺産に登録が決まり、ちょっと興味がわいたので・・・。野麦峠のような哀史的なイメージをもっていたのだけれど全然違った。労使それぞれ素晴らしくキチンとしているので驚いた。女工さんの多くが勤勉で奥ゆかしく真面目であり、家や出身地(藩)の代表として自覚している。日本の近代発展の一部分だが、勉強になった。

2014/05/14

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