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波止場日記――労働と思索 (始まりの本)

波止場日記――労働と思索 (始まりの本)

波止場日記――労働と思索 (始まりの本)

作家
エリック・ホッファー
森達也
田中 淳
出版社
みすず書房
発売日
2014-09-11
ISBN
9784622083740
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ジャンル

波止場日記――労働と思索 (始まりの本) / 感想・レビュー

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Tonex

アメリカの社会哲学者エリック・ホッファー(1902-1983)の日記。正規の学校教育を一切受けず日雇い労働などをしながら図書館へ通い独学で学問を身につけたという努力と根性の人。常に社会の低辺で働きながら読書と執筆を続けた在野の哲人による地に足のついた思索の日々。◆80頁「一般に、発現を阻止された行動への衝動が、創造力に転化するのである。」◆117頁「ほとんどの場合、創造の原動力となるのは、ささいな、だが持続的ないらだちに対するおだやかな反発である。」

2016/07/07

Eric

日記形式。従って、様々なトピックについて軽く触れているだけだが、この本の真価は「ホッファー」という人物の持つ姿勢、および距離感が新鮮に伝わるところだと感じる。ホッファーは7歳で失明、その後15歳で視力回復して貪るように読書。両親を早くに死別し、その後日銭を稼ぎつつ本を読み続ける。沖仲士という仕事は、肉体労働を転々とする中で見つけた、読書・自由時間・お金・運動のバランスが取れるお気に入りの仕事。生涯に渡って束縛を嫌い、唯一オズボーン夫妻と深い交流。自身をありふれた大衆の一員と位置づけ、知識人から距離を置く。

2021/01/23

呼戯人

再読。エリック・ホッファーの沖仲仕になってからの労働と思索を記した日記。やはり、日記のあちこちに記されたアフォリズムが美しく興奮を誘う。ホッファーはこの世界において自分は永遠のアウトサイダーだと考えていたようで、そのような自然や社会、歴史や伝統から切り離され、異邦人であり続ける自分の存在に根を下ろし、そこから知識人や自由と権力、変化への適応の問題等を考え続けた。私はホッファーのこの感じ方に自分と近いものを感じ、その異邦人性に親近感を覚える。それがホッファーの思想の根源である。

2022/05/11

紫羊

船の名前と作業時間、きつかったか楽だったか、パートナーについて等々、沖仲仕としての労働の記録から始まるホッファーの日記です。私的な事柄に混じって彼の思索の根に近い部分が垣間見れる。

2022/03/22

eirianda

思索日記。時代は違えど何かと今を言い当てるような文があった。戦後技術的なことは大きく変化し、わたしたちはなんとかそれに順応しているように思うが、人間の本質のようなものはあまり変わっていないのかもしれない。それは大衆も権力者も同じことなのかな、とフルシチョフやナチの件を読んで思った。

2022/06/26

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