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フロム・ヘル [新装合本]

フロム・ヘル [新装合本]

フロム・ヘル [新装合本]

作家
アラン・ムーア
エディ・キャンベル
柳下毅一郎
出版社
みすず書房
発売日
2019-11-11
ISBN
9784622088592
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フロム・ヘル [新装合本] / 感想・レビュー

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たまきら

切り裂きジャックという、ロンドンの貧民街でその日暮らしをしている貧しい娼婦たちを殺した人間はいまもこれからも多くの人たちの関心の的であり続けるでしょう。そして、それを題材に何回も何回も被害者と女性は様々な媒体で惨い死を再現され続けるでしょう。闇の童話とでも言いたくなるこのコミックは、暴力ではとうてい優位に立てることはないであろう女性をどうとらえたかったんだろう…と読み終わって複雑な気持ちになりました。個人的にはパトリシア・コーンウェルの説が一番有力だと思っています。

2022/03/09

おおた

名作と名高くても無理な絵は無理。そう放置していたけれども、ジャック・ザ・リッパーについて知りたいという知的好奇心があったから読み切れた。最後まで絵柄だけで人を見分けることはできなかった。全体として富裕層の身勝手な妄想や見栄に振り回される低層階級、特に女性の不遇に哀しくなる。しかし身勝手な妄想というのは知識や評価される技術によって培われていくもので、おかしな方向へ育っていくと哀しい事件が引き起こされると読んだ。この絵だから描写できたこともあるだろうけど、本音のところはリメイクしてほしい。

2021/02/28

hikarunoir

合本は再読。今回神懸り犯による死体損壊理念、被造物への畏怖と同期しに注釈記載の解剖記録動画も併せ見進める。作品が精緻な機械との印象が深まる。

2021/09/24

こうすけ

19世紀末、切り裂きジャック事件を描いたグラフィック・ノベル。半端じゃない情報量で、何度もページを戻って伏線など確認しながらじっくり読んでいった。『ウォッチメン』同様、圧巻の物語のスケールと、重々しい読後感。すさまじかった。特に後半、随所随所で描かれる"ある幻視"が衝撃的すぎて、「えっ!!」と叫んでしまった。つまりこれは、19世紀末が舞台といいながら、現代に物言うべく書かれた物語だったのだ。 戦争と核の世紀を生きる我々に、切り裂きジャックを異常だと言えるだろうか?

2020/04/16

コリエル

天才アラン・ムーアが、100年以上に渡り語り尽くされてきた切り裂きジャック事件のあらゆる資料を渉猟した上で、王室の陰謀・フリーメーソン・魔術・心霊・ゴシップといったそれらの情報全てをまとめ上げて「真相」を構築したという離れ業が本作品。その技術も作中で言及される浮遊するガルの精神が到達する神の領域についての物語も、もはやコミックの域に止まらない文学を読んだという満足感があった。

2019/12/08

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