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誰も気づかなかった

誰も気づかなかった

誰も気づかなかった

作家
長田弘
出版社
みすず書房
発売日
2020-05-07
ISBN
9784622089124
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誰も気づかなかった / 感想・レビュー

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旅するランナー

たとえ誤りにみちていても、世界は正解でできているのでなく、競争でできているのでもなく、こころを持ちこたえさせてゆくものは、むしろ、躊躇や逡巡のなかにあるのではないか。この1ページに心震えた。僕は何でできている?

2020/06/25

アキ

ことばは、ことば通りの意味じゃない。ことばで伝えたことや表に出る感情がすべてであれば、そこにある微笑みも、無言も、飄々も、激怒も、悲しみにも気がつかない。ほんとうのことというのは、ほんとうのことなのだろうか。2つにひとつを決めるのは、考えではない。そこに至るまでの躊躇や逡巡に考えはある。何だって正しければ正しいのではない。きみは何でできている?多くの問いが読者に投げかけられる詩集。夜の散文詩では、NY公立図書館の木の椅子が出てくる「図書館の木の椅子」が好み。「街路樹の幻」「一瞬は永遠よりも長い」もいい。

2020/06/20

モリー

長田弘さん詩はいつも固定観念を強く揺さぶります。この詩集に収められた詩からもそう感じました。「考える」とはどういうことなのでしょうか。私たちは生き抜くために常に選択と決断を迫られます。するかしないか、進むか引くか、生きるか死ぬか・・・。このような二者択一の連続とも言えます。しかし、人生に正解などありません。まして、競争で勝ち抜くことが人生の目的でもありません。心はいつも揺れ動きます。「考える」とは躊躇や逡巡しながら生きること。正解のない人生を躊躇しながら、逡巡しながら生きていこう。詩の言葉に励まされます。

2020/08/17

よこたん

“見えない木は存在するのだ。記憶のなかに。それは雨風のひときわ激しい日にだけ、束の間、雨風に煙って、もとのまま現れる。現実だけが世の全部なのではない。” 何をもって、ないと言い、何をもって、あると言うのだろう。いせひでこさんの絵と組んでいない、長田さんの詩の本を初めて手に取る。閉塞感に満ち満ちたこの時期に、言葉少なく、しかし、真っ直ぐに問いかけられるたびに、ピクンと身が縮まる思いがする。遠い遠い場所にいる長田さんの目がきらりと光っている気がする。答えは出なくても、折にふれて考えてみよと。さあ、何度でもと。

2020/08/22

とよぽん

タイトルに惹かれ、作者の名前を見て、新刊?と思った詩集。声に出して読んでみた。決して声高ではないけれども何か、斬り込んでくる力強いものを感じた。「あらゆることは、ただそれだけの / 些事としてはじまる。/ 戦争だって。」「物事は二つに一つでなく、何事も / 二つに一つだと考えないところから、/ 『考える』ははじまる。」そして、散文詩5篇にも鋭いものを感じた。

2020/11/24

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