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テナント

テナント

テナント

作家
バーナード・マラマッド
青山南
出版社
みすず書房
発売日
2021-01-19
ISBN
9784622089759
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テナント / 感想・レビュー

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ヘラジカ

日本でも人気が高いマラマッド。この作品は唯一未邦訳だった長篇小説ということで、これは何かあるなと身構えていたが、予想通りなかなかの怪作だった。今になって翻訳された理由と同時に、今まで翻訳されてこなかった理由も分かってしまう。悪夢が広がる終盤は、まるでソローキンを読んでいるような感覚だ。マラマッド作品は『アシスタント(店員)』しか読んでいないので、ここまで強烈な展開になるとは思いもしなかった。どこかの段階で現実とレサーの狂気がすり替わっているという解釈で読んだがどうなのだろう?しかし、楽しい読書だった。

2021/01/20

ふっかー復活委員長

【この物件、退去者絶賛募集中。】取り壊し寸前の集合住宅に、居座り続ける最後の男。その職業は、作家だ。エンディングをなかなか決められぬ男の前に、予想外のライバルが(不法に)入居!心身共にボロボロ、もう引っ越したらええやん!な状況になっても彼らはひたすら粘る。家主の懇願?彼女の提案?内なる声がかき消す。生きる理由はただひとつ、書くためだ▼ラストは「ええっ…」と脳内絶句。作家道って武士道だったの!?

2022/04/04

刳森伸一

人生の悲しみや喜びを抒情的に描くことが多いマラマッドの長篇小説だが、そんな雰囲気とは異なる異色作となっている。ユダヤ人と黒人との間の断絶に挟まって藻掻く主人公レサーはアイデンティティポリティクスに苦しむ人々の肖像ともいえるが、それよりも長年書き続けてきた完成間近の原稿を奪われても、再度最初から書き直そうとするレサーに心を打たれてしまった。

2021/09/11

文学ラジオ空飛び猫たち

文学ラジオ空飛び猫たち第72回紹介本 https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/72-e1fl3cq 個人的には読書するときに使うエネルギーがあるとしたら、それを空にされるようなシーンが多かった。展開と表現がいいので、たぶん脳が処理するのに負荷がかかったんだと思う。心地良い疲労感の残る読書体験でした。 まず、絶対読んでもらいたいのが小説を書いたことがある人。必ず刺さると思う。1971年に出版されたとは思えないくらい古びてない一冊。

2022/03/16

いっこ

ユダヤ人ㇾサーと黒人ウィリーのアイデンティティの表出がラップのようだが、ウィリーの方が強烈。そこに作家と作家をめざす人間の苦しみの吐露も加わり、ハードだけど最後まで読まずにはいられない。大家が同じユダヤ人なのに、レサーに『ヴェニスの商人』のシャイロックみたいにあしらわれるエピソードは、大きなテーマにはさまれた間奏曲のよう。ウィリーに招かれたパーティーで流れる音楽はブーガルー。「アリゲーターブガールー」というのが流行っていた時代を思い出す。一番大きなテーマは50年経っても変わっていない。

2021/04/03

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