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プラテーロとわたし

プラテーロとわたし

プラテーロとわたし

作家
ファン・ラモン ヒメネス
長新太
伊藤 武好
伊藤 百合子
出版社
理論社
発売日
2011-07-01
ISBN
9784652079812
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プラテーロとわたし / 感想・レビュー

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榊原 香織

ロバの大きな黒い瞳、長いまつげ。 日本ではあまり見かけないけど、可愛いんでしょうね。 詩人のロバ愛が極まった田園詩。 日本でも江戸時代タヌキ愛を極めた文人がいたような。 色彩感覚が素晴らしい、美しい砂糖菓子のような作品。 読んだ後、溶けてすべて忘れてしまいそう。 でも好きです、これ。

2022/07/04

帽子を編みます

読友さんとの話題から読みました。エッセイのような散文詩でしょうか、愛ロバのプラテーロに詩人が語ります。優しい語り口、穏やかなひととき。かといえば、お化けの仮装でいたずらをしていた若い娘が雷に打たれて死んでしまったり、病気の子がひっそり亡くなったり、悲しい章もあります。素朴な暮らし、日々の美しさ。自分の名前のスタンプを注文して押しまくる章も面白いです。挿し絵が長新太、力の抜けたとぼけた絵が合っています。小首をかしげて花を背にいっぱい積むプラテーロ、一等賞にパセリの冠を貰って笑うプラテーロの絵が好きです。

2022/03/01

よこたん

“なめらかに固い、かがやく大きな目で、じっと私を見つめる。その目の中の黒っぽいみどり色をした凸状の大空では、小さな小さな太陽が、きらきらと光っている。” ロバのプラテーロと、詩人の私の日々の歩み。何気ない日常の中の景色や出来事、湧きあがる感情を優しく時に茶目っ気たっぷりに傍らの相棒に語りかける。人とロバ、同じ言葉を持たなくとも、通じ合うものがある。突然の別れに涙が溢れた。もういないプラテーロへの呼び掛けが、土深く空高くへと届いていることを私も願う。長新太さんのシンプルな挿絵のプラテーロがとても愛おしい。

2018/06/02

みねたか@

小さくて、ふんわりとした綿毛のロバ。かたい黒水晶のカブト虫のような瞳のきらめき。詩人はプラテーロに、友のように、恋人のように、時に父親のように語りかける。コローナの松の木や、古い泉、清らかな夜について。互いへの信頼と愛情があふれ出てきて何とも温かいおだやかな気持ちになる。この本とともに過ごした1か月、安らかな眠りに誘ってくれたことに感謝。

2023/09/28

aloha0307

江國さんの著作がきっかけで読んでみました。プラテーロとは、小さくてふんわりとした銀色のロバです。詩人はプラテーロに絶え間なく語りかけます。風景や季節を織り込んだことばは本当に美しく、未だ見ぬアンダルシアの風、自然の小さな音まで聞こえるようです。なんとも静かな世界✿ 厳しい言葉を放つ偏見に満ちた人々の言葉や瞳...無常観が痛いほどに伝わってきます。前足を折ってしまったプラテーロ そしてお別れ(;_;) これからは永遠のなかに生きる 「赤い夜明けの太陽を、いつも自分のものにしているから」と最後の呼びかけ...

2018/08/05

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