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ふしぎな月

ふしぎな月

ふしぎな月

作家
富安陽子
吉田尚令
出版社
理論社
発売日
2021-08-18
ISBN
9784652204573
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ふしぎな月 / 感想・レビュー

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やすらぎ 🍀安寧祈願🍀

透き通った丸いひかりは今月も空に浮かんでいます。その時を待ちわびていたように、一斉に羽ばたいたり踊りだしたりするのです。夜風にのった月あかりの温もりに、この夜だけは花が満開に咲くそう。海原を照らし、水面の魚の群れは煌めきながら、クジラとともに泳いでいます。窓の外から子どもたちを見つめる優しいひかりはこの街を照らし、南の島や砂漠の果て、戦場にも届いています。悲しみや苦しみを一瞬でも忘れさせてくれる、ふしぎな月。欠けては満ちる大切な想いを満月の夜に思い出しながら、この世界の広さを改めて感じてみたいと思います。

2023/01/15

のっち♬

どんな場所にも分け隔てなく光を投げかける月の存在をワンダーに描いて、「とおいくに」の現実を照らし出す。虫から変身する妖精、野原いっぱいに咲く花、泳ぎ回る海の生物、飛び回る赤ちゃん…落ち着いたタッチで賑やかな蠢きを描き出すことでスケールの大きな恍惚感と淡いノスタルジーが生まれている。ゴッホを彷彿とさせる月の光と平和への祈りが波動(この点で海は特に力が入っている)のように重なり合って目覚めを促す芯の強い作品。「月よ、月。ずっとそこからてらしておくれ。このよがやみにしずまぬように。わたしがやみにのまれぬように」

2022/11/15

ちゃちゃ

見上げると夜空に輝く月。野原を、海原を、街を、煌々と照らす「ふしぎな月」。太陽が明るい陽光をふりそそぐなら、月は暗い闇を照らし出す。この地球に夜の静寂(しじま)が訪れると、月は満ち欠けを繰り返しながら、生きとし生けるものの喜びや哀しみを、あまねく優しく照らしてくれる。私たちが暗闇に沈まぬよう、いつでもどこででも見つめてくれている月。そのさやけき光が、独り夜空を眺めている人々の心をそっと慰めてくれますように。万物を慈しむように輝く月。「月よ、月。」という呼びかけが、静かな祈りのように心に響く素敵な絵本だ。

2022/01/31

ふう

ゆっくりページをめくり、幻想的な絵と静かに語りかけてくる文をかみしめながら読みました。昼間の光が知らない、静かで密やかな世界。サバンナの月では、地球が生まれた頃の大きな月を想像してしまいました。月の光は本当にふしぎです。じっと見つめていると、そのやさしさに「弱きもの、小さきものをどうぞお守りください。」と祈ってしまいます。そして、いつまでも地球のそばにいてくださいと。こんな美しい月がずっと隣にいてくれたのだから、地球も美しい星でいたいですね。

2021/12/31

MI

ふしぎな月。つきがのぼり始めると、木や草の影にかくれた虫たちがはばたいて妖精となって踊りだしました。草もどんどん伸びてお花畑になりました。海も月が照らすと魚たちがのぼってきます。月はこの世が闇に沈まぬように、私たちが闇にのまれぬように。 すごくステキなこともあるし、悲しいことも月が照らしてる。月を中心に温かい作品。おすすめです😊

2023/09/05

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