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欲望のコード: マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ)

欲望のコード: マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ)

欲望のコード: マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ)

作家
堀あきこ
出版社
臨川書店
発売日
2009-06-01
ISBN
9784653040187
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欲望のコード: マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ) / 感想・レビュー

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きいち

「性への自由」と「性からの自由」が同時に追求できる場として「女性向け」マンガを新たに価値づける。モノローグを使った同一化の手法や、「対」という関係性を愛でる俯瞰的な視線によって権力関係がずらされ、「支配ー従属」や「モノ化」などフェミニズムがポルノを批判してきたロジックが無効化していくくだりは特におもしろかった。(逆カプがなぜそんなにすごい違いなのか、これまでどんなに聞かされても理解できなかったけど、ようやくわかった気がする。)現実とファンタジーの直結をはっきりと拒否して冷静にと呼びかけてるのも素晴らしい。

2013/04/14

くさてる

おそらくこの分野の研究は多くの人によってリアルタイムで続けられていて、それでも現在進行形で変化していく大量の素材を元に分析を重ねていくことは、とても労力がいるものだと思う。だからこそ、こういう本の存在はとても大事だと思った。万人に当てはまる正解がない分野だけに、ここに提示されている「女性のセクシュアリティ観」を、単に己の場合に引きつけても良いのだし、より広い視野で考えてみるのも面白いことだと感じた。

2014/05/14

かやは

元となった論文のタイトルは「女性の性的欲望の多様と多層ーポルノコミックの比較分析から」だという。女性の性的欲望の肯定を目的の一つとし、これまで男性中心に考えられてきた<ポルノ>を、女性の性的欲望の肯定という視点から捉えなおすことを、もう一つの目的とした一冊。2009年発行なので、現代のコミック事情とはまた違ってきているんだろうなというところが正直な感想。やおいって言葉も死語になりつつあるし。個人的にはコミック等のフィクションだけでは現実の認識を考えることは出来ないんじゃないかと思う。

2020/10/06

ひるお

レディコミ・TL・ヤオイ(広義のBL・やおい)といった〈性的表現を含む女性向けコミック〉を男性向けポルノコミックと比較しつつ分析し、女性のセクシュアリティ観に迫った一冊。ラディカル・フェミニズムによるポルノ撲滅運動やフェミニズム内での論争・分裂、日本におけるマンガ評論の推移をまとめた上で本題に入る構成になっており、前提をきちんと押さえられる。〈性的表現を含む女性向けコミック〉が、女性の性的快楽を追求しつつ、物語性を重視し権力構造をずらすなど男性中心的な価値構造からの脱却を図っているという結論が面白い。

2018/07/21

ソノダケン

女性向けのエロティシズムは、「暴力」や「支配-従属」といった概念そのものを《ズラし》(←著者が好きな言葉)、ひいては男性中心的価値構造をも転覆すると予言。99.99%間違ってると思うが、そうゆう価値観があってもいい。でもこの本、百合をまったく取り上げない。それらしいのは「ふたなり」だけ。発行は2009年、すでに森永みるく『GIRL FRIENDS』などがヒットしている。本書の構成は「男による性への執着に女はまったくかなわない」ことを、はからずも證明。女性の漫画読みのみなさん、もっとがんばってくださいね。

2016/06/28

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