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飢える私――ままならない心と体

飢える私――ままならない心と体

飢える私――ままならない心と体

作家
ロクサーヌ・ゲイ
野中モモ
出版社
亜紀書房
発売日
2019-02-21
ISBN
9784750515779
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飢える私――ままならない心と体 / 感想・レビュー

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ケイ

完全に理解なんて出来ない。12歳の時、付き合っていた好きな男の子の自転車の後ろに乗っかって一緒に行った小屋。そこで複数の男の子にレイプされた。そのことは何十年も言わずにきた。それから、食べた。誰にも言わなかった。勉強していい子でいた。最難関の大学に行った。でも、逃げだす。その間にどんどん増え続けた体重...。彼女のふくよかで明るい外見の写真と作品の内容の乖離が不可解で、あとがきで彼女がレイプされていたことを知り、この作品を手に取った。理解されるために書いたのではないのだろう。さらけ出すことでの自らの解放。

2019/03/28

読書熊

どうやったら痩せるかではなく、痩せなくてはいけないという強迫観念を抱かされる社会を考える本。さらに著者は、子どもの頃にレイプされ、自分を守る鎧として食べ続け太り続けた。フェミニズムについても考える一助になる本でした。

2019/05/12

sujie-may

彼女の体験は彼女のもの、彼女の身体は彼女のもの。わたしが何か気の利いたことを言ってそれを奪ったりすることはできないし、そんなことは許されないと思った(この感じ、青い芝の会についての本を読んだ時と似た感じ)。 それでも、その体験をわたしたちに共有させてくれた。ロクサーヌ・ゲイに感謝します。

2019/03/12

原玉幸子

性暴力の被害に遭ったトラウマで異常な食欲になり、身長191㎝、体重262㎏になった著者の回顧録は、ボーヴォワール『第二の性』での「女性として生きること」に関わる、自身の内からと社会の目の外からの両方の「でぶへの嫌悪感」が主題です。書く動機も、返し表紙の「哀れみは、いらない」の文言に納得する締め括りもいいですが、TV番組の減量産業や、映画館や航空機の座席等での苦痛や、うまくいかない自身の恋愛や人間関係を引き合いに、延々と自己嫌悪・自己否定が続くのは、心穏やかに読めず、積極推奨出来ません。(●2019年・夏)

2020/04/09

ひとみ

ハイチ系移民の両親のもとで愛され育った著者は、12才の時に当時好きだった男の子にレイプされたことを誰にも言えず苦しみ続ける。進学した名門寄宿学校では過食しはじめ肥満体になり、恵まれた環境で育ったアフリカ系の女子で肥満体というどこまでも周縁化された地位へ追いやられてしまう。その立場から見える考察や半生をユーモアを交えた軽妙なエッセイにまとめたもの。痛ましい箇所も多いが笑えるところもあり、非常に示唆にも富んだ内容なのにいかんせん訳がひどい。もうちょっとなんとかならなかったのかというのが正直な感想。

2019/06/02

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