世界で一番のねこ
世界で一番のねこ / 感想・レビュー
ぶち
愛玩するためのペットではなく、飼い主に依存するだけではない仕事を持った独立した猫ということを考えさせられます。海外の本には仕事を持った猫や犬がたくさん登場しますが、日本では愛玩動物として可愛がるだけのお話が多すぎるように思います。だから、コンテストで一番になれないと捨ててしまう飼い主が現われたりもします。この本の主人公のエトワールという猫は"ねずみとり"という立派な仕事を見つけます。そして、おじいさんの態度は飼い主としての在り方の一つを見せてくれています。いろいろと考えさせられる本です。
2020/02/13
miww
児童書ですが大人が読んでもジーンとくるお話。コンテストで1位を取るほど美しい猫エトワールは皮膚病にかかり飼い主に捨てられてしまう。拾ってくれたバイオリン職人のおじいさんを喜ばせ、期待に応える為にネズミ捕りに勤しむエトワールが健気です。やがて自分の進む道を見つけたエトワールはおじいさんにその気持ちを伝えます。お互いに別れは辛いけど「おまえさんのことなのだから、おまえさん自身で決めるといい」と全てを受け入れてくれるおじいさん。相手の存在そのものを認め愛するという事を静かに伝えてくれる物語でした。
2016/10/10
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
コンテストで世界一美しい猫に選ばれたエトワールは、病気になって飼い主に捨てられる。美しさだけが存在理由と教えられてきた彼は、美しくなくなって途方に暮れるが、通りがかりの老人に拾われる。「ところで……はできる?」とたずねられ、必死に飼い主の期待に応えようとする。もう二度と捨てられたくはないから。ずっと他の誰かのために生きてきたエトワールが、心の傷を乗り越えて、自分の好きな道をみつけていく成長物語。昔話のように「いつまでも、幸せに暮らしましたとさ」で終わらないのもカッコいいね♪
2015/05/09
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
81/100点 見た目が一番良い猫が、一番でなくなったら捨てられてしまい、拾ってくれたおじいさんの元でネズミ捕りの一番を目指す成長物語。一番になるために一緒に暮らしていたおじいさんと別れて旅立つというラストに、少し不満を感じました。作者は読んでいる子供に、才能を伸ばして一番になるという目標に向かって頑張れと言いたいのだなと解るのですが、私としては残っておじいさんと一緒に暮らして欲しかったな。世の中に一番になることよりも、もっと大事なものがあるんだということを、子供たちに教える方が重要だと思えるからです。
2017/10/28
たんたん(休みます)
皮膚病になり飼い主から捨てられたねこの自分探しの物語。拾ってくれたおじいさんにねずみを退治して欲しいと頼まれエトワールはねずみとりに必死になる。ねずみがうまく取れなくて悩み、うまく取れても悩み、もう捨てられたくない愛されたいって気持ちがヒシヒシ伝わってくる。最後自分の好きな事で1番を取るためにある決意をしたエトワールが眩しい。エトワールに最高の言葉を送ったおじいさんにも泣けてしまう。見栄の為の競争はよくないけど、自分のやりたい事で競い合うのはいい事だし必要だと思う。そしてそれを温かく見守ってあげる人も。
2016/10/16
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