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翻訳地獄へようこそ

翻訳地獄へようこそ

翻訳地獄へようこそ

作家
宮脇孝雄
出版社
アルク
発売日
2018-06-22
ISBN
9784757430747
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あらすじ


翻訳業界の中でもその博識ぶりと名訳者ぶりがリスペクトされている宮脇孝雄氏による、翻訳者と志望者、英語学習者、海外文学愛好家に有用な珠玉のエッセー集。

「翻訳は難しい」とはよく言われること。文法的に一応正しく訳したつもりなのに、著者が本当に言いたいことはまるっきり伝わっていない―――そんなことがままあるのが「翻訳の世界」なのです。表層的な訳から脱したい、時代や文化背景の違いを乗り越えて、より正確でより魅力的な訳にたどりつきたい、ともがき苦しむ翻訳者たち。知恵を振り絞りあらゆる手段を使い、正しく訳せた時の歓びは格別ながら、心残りのある訳文しかひねり出せなかった時には悔いがいつまでも尾を引き……。



本書は、そんなちょっとマゾヒスティックな翻訳者や翻訳コンシャスな人々に贈る書。古今のさまざまなジャンルの英語の読み物に通じ、英語圏の文化や言葉への造詣が深い宮脇氏が、数多くの翻訳実例も引用しつつ、翻訳のやり方、アプローチ法を実践的に紹介します。読めば読むほど翻訳者の苦悩と奮闘、そして翻訳の奥深さ面白さがじわじわ伝わってくる一冊なのです。

●エッセー41篇が3つの章に分かれています。

1 翻訳ビギナー講座:単語の意味の選択の間違い、イディオム、構文のまずい訳し方など、翻訳者が最低限心得ておきたいこと

2 翻訳に必要な文化背景:歴史、習慣、風俗などについてのさまざまな調査をした上でさらに推理をすることが必要

3 実践的翻訳講座:「表現の翻訳」とはどういうことか。長めの英文を使った翻訳過程を実況中継的に



<目次より>

慣用句は時に破壊力のある地雷となる

謎の人物が出て来たらディケンズを当たれ!

翻訳で失われるものは意味だけではない

なぜカウボーイは独立分詞構文で描かれたのか?



【著者プロフィール】
宮脇 孝雄:

翻訳家・随筆家。40年以上にわたり、ミステリ『死の蔵書』や文学作品『異邦人たちの慰め』など多様なジャンルの作品を手掛けてきた。翻訳に関するエッセイをはじめ、料理や英米文学・ミステリに関するエッセイ、評論も多い。現在、(株)日本ユニ・エージェンシーで翻訳教室を開講、専修大学で非常勤講師を務める。

主著:『翻訳の基本』『続・翻訳の基本』『英和翻訳基本事典』(研究社)

主訳書:『死の蔵書』『幻の特装本』『異邦人たちの慰め』(早川書房)、『ジーン・ウルフの記念日の本』『ソルトマーシュの殺人』(国書刊行会)

翻訳地獄へようこそ / 感想・レビュー

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くさてる

おお、これはまさに地獄だ。地獄地獄楽しい地獄。主にミステリを翻訳してきた著者による、さまざまな「誤訳」や英語表現との取り組みを書いたエッセイ。英語は中学英語くらいの理解力しかないわたしでもとても面白かった。それは英語を通じて透けて見える文化についてのエッセイでもあるから。しかし、「原文」を前に「誤訳」と「正しい訳」を比べてみると、翻訳のお仕事の大変さが分かります。面白かった。

2018/09/08

☆☆☆☆ 簡単な英単語も誤って訳せば全く異なる意味の文章になってしまうのが翻訳のおもしろいところ。既刊の翻訳小説で見つかった誤訳と、宮脇さんの訳とを比べると、その違いは一目瞭然。cityに「英国における多くの大きな町で、大聖堂のある町」という意味があったり、英小説は「一見深刻そうな純文学でも、えぐいミステリでも、だいたいユーモア小説だと思っておけば間違いない」ことは初めて知りました。宮脇さんが紹介される翻訳関連の本はどれも面白そうで、読みたい本が一気に増えました。

2018/12/14

sasa-kuma

翻訳の世界って、それほどまでに誤訳が多いものなのでしょうか。この本に出てくるとんでもない誤訳をした翻訳家が実在するわけですよね。アルバイトの人とかではないですよね。その人たち、仕事来なくなっちゃうのではと変な心配をしてしまった。主人公がやたらに「やれやれ」と言うのは村上春樹の悪い影響と書かれてました。翻訳界でも革命的?(笑)

2018/10/23

ぽけっとももんが

そうか、翻訳小説を読んで、うまく頭に入らないときは「誤訳」またはこなれていない訳だから、という可能性もあるのか。著者は翻訳小説を読んで、あれ?とおもったらすかさず付箋を貼り、原文に当たる。すごいなぁこの情熱。smartiesとはなんぞや、と調べるのは当たり前(とはいえインターネットのない時代は大変だ)、マーブルチョコに似たもので、それが象徴するもの、それがイメージするものは何かまで突き詰める。著者の訳した本を読んでみたくなる。そして紛れもなくわたしもalogotransiphobiaです。

2018/09/25

タイコウチ

翻訳をめぐるエッセイとして軽く流すように書かれているが、いろいろと含蓄があり、参考書もたくさん紹介されていて勉強になる。しばしば翻訳において強調される日本語の表現力以前に、英文がそもそも読めているのか、という問題を突きつけられる。最近英国小説を読む機会の多い自分には、アメリカ英語よりも、イギリス英語の小説が多く取り上げられている点もありがたい。'alogotransiphobia'とは、「無活字乗車恐怖症」(本や新聞などの活字を持たずに交通機関で移動することに対する恐怖症)とのこと。

2018/08/14

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