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落日

落日

落日

作家
湊かなえ
出版社
角川春樹事務所
発売日
2019-09-04
ISBN
9784758413428
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落日 / 感想・レビュー

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starbro

湊 かなえは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本作は、黒でもなく白でもなく、ダーク・グレー湊でした。一気に読ませますが、直木賞受賞には少し足りないかも知れません。もしかしたら『告白』がピークだったのでしょうか。

2019/09/24

bunmei

本作も、児童虐待に一家惨殺とイヤミスの雰囲気で始まり、またまた切なさだけが残る展開かと・・・。しかし今回は読後、これまでの湊作品とは異なり、一筋の光が見え、いろんな登場人物の気持ちに寄り添える深みと共に、丸みを帯びた印象も受けました。終焉や暗闇をイメージする『落日』という表題にも、またいつか、新たなる希望に繋がる日の出の意味も含ませていたのでしょう。笹塚町一家殺人事件の真相と共に、真尋、香、沙良が抱えてきた重い十字架や絶望の淵を見た祈りに心動かされ、再生を願わずにはいられない結末へと結びつきます。

2019/09/17

パトラッシュ

読み終えて既視感を覚えた。家族を殺した罪に問われた人の真実を、やはり家族の問題で複雑な過去を抱える者が調べるうちに自分の問題にも光が差すストーリーは島本理生の『ファーストラヴ』と同じなのだ。調べる側と調べられる側の家族関係が絡み合いイジメや幼児虐待が明らかになる展開も。しかし最大の違いは「常に誰かを貶めてやろうとたくらんでいる」沙良という少女だ。従来の湊作品なら沙良が周囲を巻き込んで悪夢のような事件を起こした果てに殺される結末を迎えただろうが、本作では香の言うように「知ることは救いになる」中心になるのだ。

2019/12/24

うっちー

ぐいぐい読まされ一気読み。締めも悪くない。

2019/09/24

ウッディ

引き籠りの少年が妹と両親を殺した事件をモチーフにした映画の脚本を依頼したのは、自殺者の1時間前を描いた映画で賞を取った監督の長谷部香だった。駆け出しの脚本家の真尋は、地元の街で事件の真相と向き合う。エピソードで語られる過去の事実と脚本を書くために過去を調べる現在を描く本編、真実を見つめることで過去を乗り越えた香と真実から目を反らしてきた真尋という二つの対比が印象的で、それらが一つに収束していく構成も素晴らしく、読み応えがありました。辛い過去と向き合った人には、本当の作品を生み出す力がある。面白かったです。

2020/07/26

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