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そこにはいない男たちについて

そこにはいない男たちについて

そこにはいない男たちについて

作家
井上荒野
出版社
角川春樹事務所
発売日
2020-07-15
ISBN
9784758413534
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そこにはいない男たちについて / 感想・レビュー

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いつでも母さん

どちらがかわいそう?なぜ比べるのか私には理解できない。二人の女性の心の動きを井上さん巧い。だが、どうしてもまりに(夫はさておき)共感できない私がいて・・特に夫の実家を訪れた際の、幼い姪のリュックの件はどうにも嫌悪感だった。一方で実日子、まだまだ喪した夫の事で気持ちは乱れるだろう。それでも陽は登り沈むのだ。日々の暮らしの中で素直に生きて行けと声をかけたい。実日子の料理がどれも身近に感じられて好みだった。

2020/08/03

なゆ

夫婦って…。一緒に暮らす夫のことが嫌いでたまらないマリ、愛する夫が急死してからなかなか立ち直れない実日子。いるのにいない、いないのにいる、男たち。料理教室を接点にして、二つの対照的な話をうまく絡めて読ませてくれる。「どっちがかわいそうなのかな、先生と私。」家庭内別居とまではなくとも、いないものとして生活するマリの顛末は、なんとも皮肉。そこここにある亡き夫を思い出させるものが、実日子にとっての“地雷”。地雷だらけの日常のなか新しい風に吹かれてみるのが、よかったのかもしれない。読後感はなかなか良かった。

2020/08/10

よつば

共に暮らしながらも、そこに夫の存在を感じる事が出来ないまり。愛する夫を喪っても、そここに夫の存在を感じる実日子。一体どちらが孤独で不幸せなのだろう。実日子が営む美味しい料理教室を舞台に、二人の女性の心の揺らぎが繊細かつリアルに描かれていて惹き込まれる。特にまりとその夫である光一の気持ちのすれ違いや、素直になりたいのになれない感情、どこへも持って行きようがない、どこへ進んで行けば良いのか分からない細やかな心理描写は秀逸。誰もが皆、幸せになりたいだけなのに。夫婦の在り方を通して、人間の孤独さが深く身に沁みる。

2020/08/05

ゆのん

夫が大嫌いな女と、最愛の夫を亡くした女。どちらがより不幸で悲しいのか。居るのに居ない。居ないのに居る。揺れて揺れて揺れすぎる女性の気持ちがもの凄くリアルに描かれている。2人の女性の接点は料理教室なので荒野さんの描く美味しそうな料理も沢山登場する。居なくなってしまった夫との思い出ばかりの1人の食事。作りがいの無い夫と食べる1人の方がマシという食事。料理も女性心理に絡めてくるあたりがさすが荒野さんっ!て感じ。162

2020/07/10

buchipanda3

もうそこにはいない男を思う二人の女性、お互いに別な形で夫の存在を失った妻たちの物語。荒野さんの文章は落ち着いた感じで、それでいて彼女たちの寂しさや葛藤の心の内面がひしひしと伝わってくるものだった。丁寧な料理の描写も夫に対する気持ちを浮かび上がらせる。二人の女性像は好対照で、立場の違いで交錯する様は著者らしい曰く付きの妙味を覚えた。体か心か、どちらを失うのが辛いのかを酔いながら本音で探り合う姿が印象的だ。最後は現実の自分とどう向き合ったかの違いなのだろうか。二人の感情が入り混ざった複雑なものが心を占めた。

2020/07/22

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