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新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

作家
新美南吉
いとう瞳
出版社
角川春樹事務所
発売日
2006-11-01
ISBN
9784758432634
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新美南吉童話集 (ハルキ文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

いろんな種類のかなしみが描かれていて、かなしみはむしろ優しさやしあわせに似ている。やさしくされて、やさしくしたくて、心が揺れ動いたからかなしい。そんなかなしみのいろんな側面と、含まれている甘露をみつめてみたり。 「その遊びにどんな名がついているのか知らない。」から始まる「花をうめる」が好きすぎて、夕暮れのなか常夜燈のしたに隠された美しい作品をいつまでも探していたい、そんな夏の終わり。

2019/08/28

クプクプ

まず「和太郎さんと牛」が面白かったです。新美南吉は愛知県知多半島の半田の出身で「和太郎さんと牛」も半田が舞台です。お酒が好きな和太郎さんを背中に乗せて必ず家まで帰る年老いた牛が登場します。もっと若い牛だったら、名古屋に連れていかれるか、半島の先端の崖に連れていかれるか、わかったものではない、という話です。オチもよかったです。愛知県の方言もよかったです。地域性と時代背景を感じる一冊でした。この本にはところどころに残酷さが顔を出します。私の父も愛知県出身で残酷なので共通点を感じ父を少し理解しました。

2022/07/22

ちえ

一編一編じっくりと読んだ。最後の二篇「花をうめる」「おじいさんのランプ」を読み終えて、心の奥がしんとして暫く座ったまま動けない。どのお話も、心の底の哀しみや寂しさをそっと掬って、さらさら流れる透明な水の中でゆっくり揺すり、残った小さな輝石の粒の様に密かに輝く。宝箱のような一冊。

2020/02/20

aika

真摯な言葉で編まれる透きとおるような新美南吉の世界が、師走の忙しなさを片時忘れさせてくれました。「ごん狐」など、子どものころに読んだはずの物語も、狐の目線でしか以前と違って以前と違って、複合的な目線で読んでいることに気づきます。選集のようなスタイルの本書でとりわけ心惹かれたのは、「狐」という小品。狐に取り憑かれたかもしれない、と不安がる幼い息子を温かく包む母親に、無償の愛をこんなに柔らかい言葉で表せるのかと涙ぐみました。他にも「和太郎さんと牛」「牛をつないだ椿の木」「おじいさんのランプ」がお気に入りです。

2023/12/31

優花 🍯モグモグ

大人になって読むと深い。一つ一つの話がグッときました。子供には子供世界で、それぞれの悲しみ。大人になれば大人の世界での悲しみや欲がある。この本を読むと、子供も大人も、今も昔も、たいして人間の悲しみや欲は変わらないのかもしれない。もちろん、世の中が変われば、自分も時代とともに変わらなければいけない。変わる勇気も必要なのかもしれない。

2012/12/05

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