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檸檬 (280円文庫)

檸檬 (280円文庫)

檸檬 (280円文庫)

作家
梶井基次郎
出版社
角川春樹事務所
発売日
2011-04-15
ISBN
9784758435444
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「檸檬 (280円文庫)」のおすすめレビュー

31歳で亡くなった梶井基次郎の『檸檬』 あ、丸善にレモンを置く話? 「桜の樹の下には屍体が埋まっている」で始まるあの話も収録

『檸檬 (280円文庫)』(梶井基次郎/角川春樹事務所)

『檸檬 (角川文庫)』(梶井基次郎/角川書店)

『檸檬 (新潮文庫)』(梶井基次郎/新潮社)

 読み返せば読み返すほど、さらに魅力が増していく本がある。特に教科書に載せられていた名作の数々は大人になってから読み返してこそ、じわじわとその魅力が感じられるものだ。その最たるものとして挙げたいのが、梶井基次郎の『檸檬』。「ああ、丸善に檸檬を置く話ね」と侮ってはいけない。ひとたび本を開けば、作者の感性に圧倒。作品の力に思わず魅せられてしまうことだろう。

『檸檬』の文庫版は梶井基次郎の短編集となっている。特に近年発刊された文庫の装丁はなんともオシャレ。見ているだけで清々しい気持ちになり、どの文庫で読もうかと悩んでしまうほどだ。そして、装丁に負けないほど、その内容もみずみずしく、青春の味わいがする。表題「檸檬」は、冒頭から、主人公が、憂鬱さ、不吉さに苛まれている物語。好きな音楽や詩にも癒されず、文具書店の丸善でも満たされない。借金取りに追われているし、身体の具合も芳しくない。そんな主人公は、寺町通の果物屋で…

2018/8/23

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2019/11/1

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檸檬 (280円文庫) / 感想・レビュー

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hiro

森見さんの本で『檸檬』のことを改めて知り、実際に読んでみたいと思っていたが、この280円文庫を見つけ、巻末の(解説ではなく)エッセイも高田郁さんだったので購入した。読んでみて『檸檬』を含む収録されている5編すべてが、死に向かい合いながら書かれていると感じた。特に『檸檬』は10ページにも満たない作品でありながら、これほど後世の作家や多くの読者に影響を与えているのは、本当に驚きだ。また、高田さんのエッセイで、森見さんもできなかった、檸檬を京都の丸善に置いてくるということを、高田さんが実行していたのには驚いた。

2013/08/13

chimako

こんなにも情景の浮かぶ作家だったのだと、何十年ぶりに読んで思う。差し色と言うのだろうか、暗い色彩の中のレモンイエロー、闇夜に光る月。爛漫の桜でさえ思い浮かぶのは闇の薄桃色。漆喰に吐く血痰。どれもが行きどまりを感じさせ気味悪く頭から離れない。今まさに桜は満開の時期をむかえ、そろそろ花びらを散らす準備を始めている。桜の下には屍体が埋まっている……困ったことに、桜の美しさは尋常でない。考えられない数の花をつけ一斉に散る。今年の檸檬忌は桜の中。丸善の書棚にはきっといくつかのレモンが置かれたことだろう。

2018/03/29

紫 綺

hiroさんの感想を読んで、珍しく日本文学史上の傑作を手にとる。まるで、膨大な言葉の海をゆ~らりとたゆたっているような読み心地だ。巻末の髙田さんのエッセイにもあるように、檸檬の鮮やかな色がいつまでも残る。

2013/08/31

佐々陽太朗(K.Tsubota)

梶井基次郎という作家を知ったのは、万城目学氏の小説『ホルモー六景』第三景「もっちゃん」を読んでのこと。そこには平成17年、丸善京都河原町店が閉店した日、フロアのあちこちに客がこっそり置いていった檸檬があったというエピソードが語られている。梶井氏は31歳で夭折した。命日3月24日は「檸檬忌」と呼ばれる。もう丸善河原町店は無い。来年の3月24日には京都ラクエ四条烏丸3Fか岡山シンフォニービル地下1階に檸檬を持ってウロウロしている私がいるかもしれない。ちと気触れてしまったか。

2011/08/16

momogaga

『城のある町にて』この作品が心に残りました。この短編も他の短編同様に主人公が肺を病み、憂鬱に心を潰されています。しかし、城のある町での出来事が生きる希望を与えてくれる。読み直しをすべき作品です。

2022/07/09

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