美しくなるにつれて若くなる (ハルキ文庫 し 13-1)
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美しくなるにつれて若くなる (ハルキ文庫 し 13-1) / 感想・レビュー
ユメ
なんと厳しく自分を叱咤し続けた人であろうか。凛とした美しい佇まいが目に浮かぶようだ。人間の長所に触れた文章の中で、「玉は磨かねば光らない」ということはよく言われるが、白洲さんはもっと突きつめ、「玉を持っていると自覚してそれで安心していたのでは、一日たりとも、今度は玉の方が人をゆるさなくなります」と書いている。この人は生涯自分を磨く手を緩めなかったのだろう。心に刺さる言葉が多いのでこの本をバイブルのようにしたくもなるが、寄りかかりすぎず自分の頭で思考することを続けねばとも思う。
2018/05/04
かんちゃん
伯爵家に生まれ、幼くして能を学び、政財界のお歴々と親しく付き合う。自らを世間知らずの「テリア」と呼び、奔放に生きた。当時としてはとても特異な育ち方をした女性には違いない。しかし、見方を変えれば、物質的に恵まれ、高等教育を施され、自由気ままに生きているのは戦後生まれの我々とて同じことだ。個性の強い考え方は必ずしも全てに賛同できるわけではないが、歳を重ねても張りを失わず、我を通すだけの気迫を持つ強さは大したものだ。まさにこれこそが、彼女の美しさであり若さなのだ。
2018/04/06
めい
なるほどと思うところと、よくわからないところが混在するエッセイのようでした。わからない部分も年齢を重ねていくうちにいずれ理解できるようになるのでしょうか。知らないことを一夜漬けで学んで、体裁を整えることの愚かさなど、はっとする指摘がありました。大正時代を生きた、女性らしさと男らしさを兼ねた著者の視点は新鮮でした。
2018/09/04
ポメ子
この作者の本は、過去に2冊ほど読み、読みやすいとは、思わなかったが、今回のは、私には更に読みにくかった。作者が住んでいた鶴川の事について記した鶴川日記は、興味深かった。
2019/06/20
すみ子
本の題名が素晴らしかったので購入したのだが、これは編集した人がつけたものらしくてがっかり。本編は白洲正子氏の作品集からへ編集された小品なので一冊の本としては一貫したテーマがあるわけではないのでそうしたものを求めている人は注意。
2021/01/22
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511