トップリーグ (ハルキ文庫 あ 32-1)
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玉山鉄二さんが選んだ1冊は?「ニュースをいかに“選択”できるか。受け取る側の姿勢に気づかされた」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、玉山鉄二さん。 (取材・文=河村道子 写真=大石隼土)
「僕はもともとドキュメンタリーが好きなんです」という玉山さんが選んだのは、総理大臣や官房長官に食い込んだ、ごく一部の記者を指す言葉をタイトルに冠した一冊。 「フィクションなのに、文字から溢れる生々しさが表面的な部分を突き破ったところにあるリアリティを想起させてくれる。著者の相場さんはかつて通信社の記者だった方。お話ししたときに感じたのはニュートラルな印象のなかに垣間見える、見てはいけないものを見た人が持つ歯がゆさ、そこに溢れる熱量でした」 著者と対話したのは本作のドラマ化作品で主演した際。トップリーグ入りを果たした新聞記者・松岡を演じていくなかで感じたのは「ニュースとは“自分がどう思うか”で完結するもの」ということだったという。 「たとえば政治家のひと言から報道記事を勘ぐって読むことがありますよね。ニュースの裏にあるものを、そうして想像することはすご…
2022/4/15
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トップリーグ (ハルキ文庫 あ 32-1) / 感想・レビュー
アッシュ姉
さすがの読み応え!政治家とマスコミの関係性がよくわかる。官房長官に目をかけられてトップリーグ入りを果たした新聞記者の松岡。昭和史に残る疑獄事件の隠された真相を追う雑誌記者の酒井。二人の視点から交互に進み、目が離せない展開。官邸最大のタブーを暴くことはできるのか。登場人物のモデルが丸分かりなので臨場感たっぷり。ここまで露骨に書いて大丈夫かと相場さんの身を案じながらも、ぼかしてあるのでセーフだな。リアリティを追求するなら結末はある程度予想できたが、続編でどこまで明かされるか楽しみにしたい。
2020/08/27
あすなろ
相場さん。面白過ぎなんですよ。そして現在の政権とラップし過ぎなんですよ。●官房長官ならぬ阪官房長官に飛ぶ鳥を落とす勢いでトップリーグに持ち上げられ、サクセスストーリーの痛快さとその恐ろしさと政治と報道の親和性からの恐ろしさ。ようこそ、トップリーグの世界へ。自分の見たい景色が見られるところまで後少しだ…。2巻はラストに対峙した●●首相ならぬ芦原首相のトップリーグになっているのか?そこの分水嶺は一切出さずに一巻は幕切れ。2巻を今日買おうか迷ってしまう恰もノンフィクションの様なストーリーテラーの才が込められる
2019/10/14
TAKA
政権の中枢にいる人物が、邪魔な週刊誌を追い払うためにマル暴な手を借りるなどありえない。いや事実あり得ることだろう。結論は次作に委ねたか。おそらく事実に基づいた話のような感じはするがフィクションとしては政治の生臭さに最大限楽しめた。なんせあの総理にあの官房長官だし。マスコミもこの政権下で弱小化したからな。史上最大の忖度政権だったわけだから。権力ほどおそろしいものはないな。
2023/06/01
ナミのママ
単行本の感想に「終わり方が…」と書かれているものが多く読むのを躊躇していましたが、続編が出て文庫化されたので手にしてみました。モデルはロッキード事件。登場人物が往年のあの人か?と思わせる書き方で面白かったです。かつての同僚だった松岡と酒井、新聞と週刊誌の記者という立場からの視点も緊迫感があります。事件に迫っていく酒井から目が離せずにいましたが、それだけに。確かにこの終わり方はすっきりしません!続編に期待です。
2019/09/20
GAKU
好きな作家さんですが、新聞記者の主人公と、政界の疑惑という題材に興味が持てず、今まで読むのをためらっていました。しかし読み始めたらあっと言う間に惹き込まれ読了。大変面白かったです。とは言え今ひとつ釈然としない結末に。多くの読友さん達がレビューしているように、これは引き続き続編を読まねば!
2022/06/25
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