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なかなか暮れない夏の夕暮れ (ハルキ文庫 え 2-3)

なかなか暮れない夏の夕暮れ (ハルキ文庫 え 2-3)

なかなか暮れない夏の夕暮れ (ハルキ文庫 え 2-3)

作家
江國香織
出版社
角川春樹事務所
発売日
2019-08-08
ISBN
9784758442817
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なかなか暮れない夏の夕暮れ (ハルキ文庫 え 2-3) / 感想・レビュー

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しんごろ

大雑把に言えば資産家の稔の日常と読書という話。稔はけっこう流されるタイプかな。呑気というか。登場人物が多く、短いスパンで、登場人物が変わり場面展開するから、慣れるのに時間がかかる。慣れれば、面白いので読み進めれる。稔が読んでた海外小説の2作品。ラストが気になる。ラストシーンまで書きあげてほしかったな。読んでる途中での電話にインターフォン…。これはあるあるだね。章が終わりまで読まないと落ちつかないよね。さて、物語はというと、男と女、人それぞれ、いろいろある。まさになかなか暮れない夏の夕暮れという感じです。

2020/05/14

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

読書好きで資産家の稔と、その周囲のひとたちの何ともない日常をくるくると描いている作品なのだけど、何とも心地よい。星を見たいときにふと思いたって見に行けないなら「何のために大人になったのか分からない」と詰ったり、来客の方に「せめて手を洗ってもらいなさい」という教えだったり。親しい人たちとそれぞれ本を読んで「べつべつな場所にでかけていながらおなじ場所にいることの、不思議さと満足と幸福感が高ま」ったり、子どもの頃の夏を思ったり。本を読む生活の幸福感をしみじみと感じるような素敵な本でした。大好き大好き♡

2019/09/01

エドワード

裕福な家庭に育った雀と稔の姉弟、二人で暮らすさやかとチカ、五十代の二組の心象風景と周囲の人間模様。暇さえあれば本を読んでいる稔に自分が重なる。電話や声かけで読書を中断され、冒険に満ちた世界から現実に戻される稔の姿は、若さから徐々に遠ざかっていく私たちの世代のイメージ、<なかなか暮れない夏の夕暮れ>とは、老いを感じつつ若い日々に未練のある私たちの世代の暗喩ではなかろうか。定年後の生活を思い描くさやかの堅実な姿もどこか夢見がちだ。どこまで行っても愉楽を諦めきれない世代をここまで描けるのが江國香織さんだ。

2019/08/31

佐島楓

歪んだ恋愛のかたちがいくつか出てくる。ひとは無意識のうちに悪意を垂れ流してしまうものだなとつくづく思う。江國さんの小説はそういうことをあまりにもさらっと書いていて、それが魅力である。

2019/08/26

はな

稔と雀の関係が好きだなと思いました。本を読んで時々お互いの存在を確かめる…それができる関係は良いなと単純に思いました。稔の読んでる話がの結果が結構気になっています。

2020/09/27

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