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童の神 (ハルキ文庫 い 24-7 時代小説文庫)

童の神 (ハルキ文庫 い 24-7 時代小説文庫)

童の神 (ハルキ文庫 い 24-7 時代小説文庫)

作家
今村翔吾
出版社
角川春樹事務所
発売日
2020-06-15
ISBN
9784758443425
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童の神 (ハルキ文庫 い 24-7 時代小説文庫) / 感想・レビュー

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しんごろ

単行本で読みましたが、文庫化に伴い再読。童と呼び蔑み、理由などなく己が蔑まれたくないから誰かを貶める京人に対して、桜暁丸を筆頭に童の仲間が純なるものの証明と居所と求めて戦い続ける姿は目頭を熱くする。そう、それは水滸伝の梁山泊のように…。流れる血は同じ色。いつか差別、侮蔑のない時代が来るのだろうか…。永遠の課題なのかもしれない。そして、再読して驚いた驚愕の事実。これは第1部。3部作だったのだ。第2部、第3部と発刊されるのが楽しみだ。再読して良かったと思わせるあとがきにしてやられた。今村翔吾、曲者だわ。

2020/08/23

ちなぽむ@ゆるりと復活

流れる血はおなじように赤いのに、大切なひとを愛しくおもう気持ちは一緒なのに、なぜ人は蔑むものと虐げられるものに分かれるのか。なぜ傷つけあわなくてはならないのか、そこに和解はないのか。 舞台は平安時代、鬼と童と蔑まれる辺境の民と、くにを"統一"しようという大きな流れと。いったい今と何が違うだろう。歴史の流れは勝者が語るから、きっと無念を飲んで歴史のなかに消えた数しれない"正義"があったろうと思う。最後を知ってしまっているから最初からずっと悲しい。けれど、一瞬一瞬の心の繋がりに胸熱くなる1冊でした。感動。

2020/10/10

nico

「共に生きる」何度この言葉が出てきただろう。同じ国に生まれ同じ赤い血の流れる”人”なのに、なにかと区別したがる人の弱さを思い知る。己の地位を保つため、それを妨げる者を一方的に虐げる人の強欲さに胸苦しくなる。多種多様な人が共に生きる、そんな境のない世がきっと千年の後には出来ているはず、と期待を寄せた桜暁丸。残念ながらその期待には応えられていなくて申し訳なく思う。最後の最後まで熱き心を失わなかった先人たちに思いを馳せ、胸の奥をぎゅっと掴まれたまま頁を閉じた。彼らの魂の炎は、決して消えることはないと信じたい。

2021/03/01

のぶ

ひたすらに戦いの小説だった。時代は平安時代。貴族の優雅な生活の裏に、鬼,土蜘蛛,滝夜叉,山姥などの恐ろしげな名前で呼ばれ,京人から蔑まれ,虐げられいた「童」という土着の民がいた。そんな時世に、凶事である皆既日食の日に生まれた桜暁丸は、土着の民をまとめ、朝廷の勢力に対抗する。朝廷支配下に属さない彼らを執拗に攻撃し、根絶やしにしようとするのが、源満仲とその跡継ぎである源頼光。朝廷と童の争いを全編にわたり描いているが、どちらが正義だか分からないような構成。戦いのシーンは迫力があり、桜暁丸の人物造詣が秀逸。

2020/08/16

sin

目の前にひとつの歴史が紐解かれてゆくようだ…時の彼方に消し去られ、お伽噺に隠された物語が秘話として見事に紡ぎだされていく…人間は集団を成す生き物だ。群れを成せば区別が生じる。やがて身分が生まれて差別化される。身分は弱者を苛む、また群れに属さない者を恐れる気持ちが敵視を生み、そこにも差別が生じる。その悪しき流れに沿ってお伽噺に命が与えられた。差別に抗う闘いは“童”と云う謂いに込められた蔑称の意味を変える“純なる者”!

2020/06/20

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