世界屠畜紀行
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世界屠畜紀行 / 感想・レビュー
Akihiro Nishio
様々な国の屠畜事情に関するルポ。イスラムの頸動脈から血を抜く方法、モンゴルの体内に指を入れて大動脈を捻り切り横隔膜の上部に血を貯める技術、日本のきちんと管理された屠畜技術などトリビアに溢れるが、何故屠畜に関わる人は差別されるのかというリサーチクエスチョンについては、最初から結論ありきで著者の言いたかったことをなぞる旅になってしまっているのが残念。ルポとしては、最初想定もしてなかったことが見えてきて困惑、さらにそこから新事実が見えてくるというダイナミズムがない。構成次第でもっと良くなると思うのだが。
2018/07/26
姉勤
屠(ほふ)る。鳥獣を食べる事が出来る様に解体する事。日本を含めた世界各国の屠殺の現場を、それぞれの風土や背景を含めてルポルタージュする。自ら解体する機会が極少ない今、このような本は貴重。軽妙な文体とイラストで血肉の生臭さは感じない。ただ、いちいち差別を絡めてくるのは個人的に彼らを差別する意識が無いため鼻に付いた(版元のノルマか?)。延々と僻み根性を持ち続ける事も差別を助長するもの。著者も反差別を謳いながら本書の中で固定観念のもとに差別してるし。人間である限り差別なんか無くならないよ。どう制御するかだ。
2014/08/10
Nak34
ほぼ同時に二人の読書家から推薦された。まず、読んでみた。屠蓄の本を勧めるのかと思ったあなた(私は、そう思った)、読んでから話を聞きましょう。生なる犠牲の上に、私の生はあります。家畜からお肉になるまでに、たくさんの方々が関わっています。感謝の念しかありません。いただきます。この夏、2回、芝浦の食肉市場で子供向けに「お肉の情報館」が開催されます。のすけと必ず、行きます。どんな感想を持ってくれるやら。楽しみ。
2012/06/27
ホッケうるふ
アジア・中東で家畜が食材の肉になる前の手作業で屠られる工程を読むと出てくる料理が本当に美味そうに感じる。どんなグルメ本もかなわない。確かに我々は生まれ落ちた彼らが肉となり製品として並ぶまでの過程を意識の中で封殺している。その現場へ嬉々として赴く著者は清々しい。嫌悪していた犬食にすら挑戦したくなった。だが著者の姿勢は小気味良いが少々バランスが偏りがち…「犬が好きだということと犬肉を食べることに何の矛盾も感じたことがなかった。犬肉を食べることに拒否反応を示すのは西洋人だけじゃないのか」これは神経が無感覚過ぎ。
2014/03/12
かいゆう
『こわくて嫌だな』と知ろうともしなかった屠畜。角田光代さんの『私たちの〜』に出てきたので読んでみました。世界の屠畜方法だけでなく、「なぜ屠畜するのか」「なぜ屠畜がいけないのか」「なぜ屠畜する人に対して差別があるのか」などの問題を素直にぶつけ、また、BSE問題なども取り上げられています。「子どもたちに見せるかどうか」は、読み終わった今でもどちらがいいのか分かりません。私は子どもに知りたいかどうか選ばせたいです。スーパーに当たり前に肉が並んでいて忘れがちだけど、動物の命に感謝するのはもちろんのこと、
2014/03/03
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- 出版社
- 光村図書出版
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- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383