KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

「日本の伝統」という幻想

「日本の伝統」という幻想

「日本の伝統」という幻想

作家
藤井青銅
出版社
柏書房
発売日
2018-11-27
ISBN
9784760150502
amazonで購入する

「日本の伝統」という幻想 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ミライ

京都何千年の歴史とか、江戸時代から伝わる、薩摩芋、讃岐うどんまで、京都・江戸・旧国名等を使い、「日本の伝統マジック」を纏ったビジネスやマウンティングの数々を分析・解説した作品。たしかに商品に「京都」とか「江戸」とか入っているだけで権威を感じてなにか特別なものだと思ってしまう感情はある、逆に言えばこれらの言葉を入れる事で新たなビジネス展開も考えられるので、いい勉強になった一冊だった。

2020/08/11

Tui

「発信者側にメリットがある伝統は、長く続く」という伝統の基本法則を発見したり、 伝統マウンティング、着物警察、など面白いフレーズとともに伝統のファンタジーを暴いていたり。日本でことさら大事にされる「伝統」の傾向や特徴を分析し、多くの伝統には根拠がない、または歴史的に浅いことを知ることができる本です。目次を読み一番気になったのが、大相撲の女人禁制について。一章を割いて大相撲が国技になった歴史を追っているのに、肝心の女人禁制となっている原因についてはぼやかしたままなのが残念だったな。

2019/07/06

金城 雅大(きんじょう まさひろ)

知らなかった知識を知る系の本として単純に楽しめる。 「伝統」という言葉が内包する重厚感や表紙のインパクトと著者の軽妙な文章とのギャップが、良い方向に作用していてとても読みやすい。

2019/03/13

テツ

日本古来からという言葉が生み出す幻想を小馬鹿にしながら解体していく。昨今だと着物警察みたいな噴飯物のアホも他者を攻撃(指導か)するときに伝統やら格式やらを錦の御旗に掲げているが、あなたたちのその着方って死ぬほど浅い伝統だからありがたがる必要も真似する必要もないんじゃないかと言われる側もしっかり反抗してやればいい。古臭いものは別にありがたくない。どんなに歴史が積み重なろうがその時代の人間に不必要となったのなら価値なんてなくなる。意味も根拠も不明なマウントを取ろうとする相手を殴り返すための知識。

2021/10/07

yyrn

伝統と言っても明治以降に定着したものが多いと指摘し、そんなにありがたがることはない。バレンタインや恵方巻のようにペイすれば続くし、ペイしなければ廃れていくと説く。ただ、初詣も明治以降に定着したと言われると違和感を覚えるのは、神社仏閣を訪れれば何となく心が落ち着くからで、理屈や損得だけでは割り切れないモノも伝統として残るのではないだろうか。ちなみに、国技と言われる相撲は歴史を振り返れば時の権力者や世論に流されて現在に至るに過ぎず、神聖なものだから女人禁制なのだとは戯言に過ぎないというのは痛快。

2019/04/07

感想・レビューをもっと見る