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火星からの侵略―パニックの心理学的研究

火星からの侵略―パニックの心理学的研究

火星からの侵略―パニックの心理学的研究

作家
ハドリー・キャントリル
高橋祥友
出版社
金剛出版
発売日
2017-11-27
ISBN
9784772415859
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ジャンル

「火星からの侵略―パニックの心理学的研究」のおすすめレビュー

人はなぜパニックに陥ってしまうのか? 80年前の“ラジオドラマ”事件から読み解く

『火星からの侵略―パニックの心理学的研究』(ハドリー・キャントリル/金剛出版)

 かつて、全米が1本のラジオドラマでパニックに陥った事件があった。宇宙人の侵略を描いた物語を多くの人間がリアルタイムのニュースだと思い込み、絶望したのである。現代では、これを「インターネットもスマホもない時代の話」と笑う人もいるだろう。しかし、情報が手に入りやすくなったこととパニック防止には本当に関連があると、誰が断言できるというのだろう。

『火星からの侵略―パニックの心理学的研究』(ハドリー・キャントリル/金剛出版)は1940年の出版以降、繰り返し新装して現代まで読み継がれてきた研究本である。1世紀近くも過去の事件に、いまだ人々の興味が注がれているのはなぜなのか。膨大な取材に基づく本書の研究内容を読むと、今も昔も変わらない「人々がパニックを起こす構造」が浮かび上がってくるからである。

 本書の研究対象は、1938年10月30日、CBSラジオで放送された「オーソン・ウェルズのマーキュリー劇場」に対する、全米のリスナーの反応である。後に『市民ケーン』などで歴史的な映画監督に…

2018/3/22

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火星からの侵略―パニックの心理学的研究 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

kinkin

1938年、アメリカのラジオ局で作られ放送されたドラマが多くの人々をパニックに陥れたことについて当時の放送内容やその後の調査を含めて心理学的研究としてまとめられている。この出来事は以前から知っていた。名優オーソン・ウェルズがドラマの中で実況放送的に火星人襲来を伝えたこと。この本のタイトルに惹かれて読んだが訳本と心理学的な記述ということもあって途中挫折。前半のドラマの再現部分は興味深く読めた。パニックの原因は当時より現代のほうがずっと多いと思う。ネットというのはあっという間に伝わるものだ。図書館本

2018/05/12

keroppi

読売新聞の書評を見て。1938年「宇宙戦争」のラジオ劇が人々にパニックを引き起こす。パニックに陥った人、冷静に判断した人、それぞれを克明に調査した記録だ。社会や人生や様々な不安な事がパニックを引き起こしているようだ。この前のハワイでの北朝鮮ミサイル誤報によるパニックを思い出した。

2018/03/02

へくとぱすかる

伝説のラジオドラマの台本が読めるとは! H.G.ウェルズの許可? 「オーソン・ウェルズ」のまちがいでは、と首をひねったが、1940年の原著刊行時には、原作者も存命中で、もちろん2年前のパニック事件もご存じだったというわけ。本書のような現代にも通じるパニック論、マスコミ論を、アメリカでは開戦前にすでに分析していたのだから驚く。ドイツ・日本への危機感もパニックの背景にあったと聞くと、軽はずみな勘違いではないこともわかる。

2018/05/19

oldman獺祭魚翁

1938年に起きた、ラジオドラマ「宇宙戦争」を信じたによって起きたパニックを2年後に調査した本。実はこの本再読。前に読んだのは40年以上前なのだ。その後この本は心理学やコミュニケーション学の古典とされていた。1960年代再販され、日本では1970位に翻訳が出た。今回は出版社も翻訳も新たに出た訳だが、この本の面白いのは、オースン・ウェルズの許可をもらって冒頭にドラマの台本を載せていることで、前半部分はドキュメンタリータッチの臨場感たっぷりだった事が良く解る。先日の日比谷ビブリオバトルでのチャンプ本

2018/01/16

たまご

1938年,H.G.ウエルズの「宇宙戦争」をもとにしたオーソン・ウエルズ(ややこしい)のラジオドラマでおこったパニックに対する研究.1940年,1966年発表の復刻版.統計,こんなプリミティブ?って感じで,パニックに関連する要素もかなり恣意的な選択.ですが,低学歴+世相の不安,だけにすませない「被暗示力」を弱めること,「批判力」を強めることを訴えていて,なるほどと. 当時,火星ではなくドイツや日本が攻めてきた,と思った人がいたようで,日本も完全敵だったのだなあと思いました.

2018/01/05

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