ハーメルンの笛吹き男
ハーメルンの笛吹き男 / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 おとなの絵本 月舟書房
〈その男〉は帰ってきた。目に怒りの炎を宿して。果たされなかった約束の責を償わせるために、笛を吹く。グリム童話の代表作の一つだから、ストーリーをご存知の方は多いでしょう。それでも、ツヴェルガーさんの繊細な絵で描かれるこの本は怖い。表紙は笛吹き男の前で凍りついたように立ちすくむ子どもの姿。あとがきを読んで、さらに戦慄が。〈事件〉が起きた日付まで記されているとは初めて知りました。
2015/07/13
♪みどりpiyopiyo♪
何百年も昔のこと、川のほとり、ハーメルンの町では、人びとがなにひとつ不自由なく暮らしていました… ■グリム兄弟の『ドイツ伝説集』の中の一編です。この本はとりわけ絵がきれい。大胆な構図、ほわんと優しく朧げな中に 笛ふき男の幻想的な瞳が印象的。リスベート・ツヴェルガーさんはオーストリアの画家。■難読漢字にルビ付。巻末にレナーテ・レッケによる解説あり。心静まる良い絵本でした。(2009年)
2018/11/09
雨音@灯れ松明の火
落ち着いた色彩の中には感じられる静謐さ。そこに怖さを感じました。表紙絵の笛吹き男の顔は読者には見えませんが、子供の表情から、男の怒りが想像されます。連れ去られた子供達については、東側で強制労働をさせられたのか、はたまた、当時大流行したペストで亡くなったことを意味しているのか……。考えれば考えるほど深く、とても恐ろしい伝説だと思いました。
2016/09/07
小夜風
【図書館】ツヴェルガーさんの描く「ハーメルンの笛吹き男」。何冊か読みましたが、レッケさんのあとがきに、なるほどと思いました。今まではホラーかファンタジーのように解釈していたのですが、強制労働とかペスト等で子どもがいなくなった説は現実味があり、納得出来てしまいますね。いずれにしろ、悲しいお話。起こった日付まで書かれているのがまたゾッとさせます。
2015/07/09
ろくべえ
中学1年生対象昔話ブックトークにて。グリムの美しい絵本として紹介。ツヴェルガーの絵が幻想的な美しさを醸し出す。時間の関係で内容としては「130人の子どもが姿を消した」ことしか話せなかったのに、読みたいと言ってくれた生徒さん多数。
2017/02/21
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