編集者という病い
編集者という病い / 感想・レビュー
徒花
KUにて。いろいろな雑誌のインタビュー記事などをまとめた一冊なので同じ内容が何度も繰り返されるので、一冊の本としてのおもしろさはイマイチだが、何度となく繰り返される見城氏の哲学には胸を打たれるものがある。ただ、やっぱりそういう哲学だけを純粋に学びたいのであれば『たった一人の熱狂』を読んだ方が楽しめるだろう。まったくもって、編集者というのはイカレタ連中である。
2016/08/13
シュラフ
見城徹という男の、文壇・音楽界の友人らとの華やかな交遊録、やりたいことに対する徹底的なこだわり、がすごい。やはり伝説の編集者というべきだろう。尾崎豊、坂本龍一、中上健次、村上龍、らとの徹底的に飲んで・遊んで・話して、そこでつくりあげた人間関係がすごい。サラリーマン編集者には真似できないだろう。この人間関係をつくるうえでの見城は自身のこだわりに"これほどの努力を、他人は運という"と自負する。ただ情熱だけではない。売れる本づくりについて、独創・明解・極端・癒着、と編集にあたっての作戦づくりがきちんとある。
2014/07/05
しろ
☆6 ただ素直に「この人すごい」と思ってしまった。なにより本づくりへの執念を感じる。真に著者と向き合い、裸で勝負している。彼のようにきっちりと体重をかけて取り組むからこそ、信頼というものが得られるのだろう。特に、尾崎豊とのつながりが激しい。お互い全力でぶつかっている。著者のうちにあるものを引き出したり、形にするのはもちろん、編集者自身が秘めるものもぶつけているからこそ読者に響くものが作れるのかもしれない。幻冬舎は彼をしっかり受け継いでいると思う。
2011/02/16
ジュースの素
見城氏のがむしゃらな「闘志」を見た本。作家と編集者の関係は面白い。特に70年代の「キャンティ」効果は大きいなぁ。 あの店から育った有名人は数知れず。 章によって内容が重複していて読みずらい箇所も。 売れる物は正しい物とは限らない、タケシやタモリだって大ファンと大嫌いが必ず同居する。 見城氏の「方法」の幾つかが理解出来た。
2017/05/18
てながあしなが
「読書という荒野」に引き続き読んだ。強烈な本でした。尾崎豊のところがとんでもない。エピソードもすさまじければ、その臨場感をパッケージに詰めることができる見城さんの文章力も見事。没入して読んでしまいました。一人の人間にここまで真摯に向き合えるのはもはや才能。幼少期のコンプレックスが、この才能を結実せしめたように思える。そして、もうこの人は普通の刺激じゃ飽き足りないんだろうな。編集者という職業にジャンキーになっている(いい意味で)と思う。
2018/06/07
感想・レビューをもっと見る