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atプラス30(松本卓也編集協力)

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作家
松本卓也
千葉雅也
小倉 拓也
上尾 真道
大崎 晴地
竹中 均
こうの史代
大澤真幸
桜井智恵子
出版社
太田出版
発売日
2016-11-05
ISBN
9784778315481
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ジャンル

atプラス30(松本卓也編集協力) / 感想・レビュー

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またの名

臨床と人文知ということで取り上げられるのは、主にラカンとドゥルーズ。これまでの理論的蓄積で重視されてきた分裂病はもはや特権的ではなくなり自閉症や発達障害がホットな問題になる現代、新進気鋭のラカン派が超越的な問いにこだわる分裂病ぽい垂直方向と平準化に至る素朴な水平方向の軸を用いて、その先を思考。『差異と反復』における疲労の議論から誰もが将来なりうる認知症を主題にした時間論の再構成、グールドの自閉症傾向とサイードの批評を交えて読み解くなどどの論文も刺激的。『この世界の片隅に』作者こうの史代インタビューも収録。

2017/01/17

袖崎いたる

とりあえず分裂病的なものへの対症を考えるのが精神分析であったなら、当世ではうつや自閉症的なものについて考えるべき状況になっているようだ。そうした人間像の較正の意図を込めて「ポスト精神分析的人間」の語が充てられている。これは勿論、ぼくたちのことである。結局のところは真摯に他者と向かい合える紳士たれという指標が誰しもの胸に廻ってくれればいいのだけど、そのための教育も情操も間に合わせがいかない。「その個人のもつ特性はほかの誰とも異なったものである」。この命題をリテラルな理解以上に了解することの困難ときたら…。

2017/02/10

ゆとにー

ビンスワンガーが人間把握を行う際に措定した垂直方向と水平方向の空間的モチーフは、イロニーとユーモアに対応するのか。『個人的な体験』で大江健三郎は誰にもつながらない縦穴(個人的な問題)と誰かに接続する横穴(一般的な問題)を対置していたが、縦穴をマイナス方向への思い上がりと見ればそれも軌を一にするように思える。水平方向へのズレを促す臨床手法としてオープンダイアローグが挙げられていたが、それとの親近性を自認している当事者研究でも「人生いつも右肩下がり」というモットーがあった。思い上がっても帰ってこられる軟着陸点

2018/12/16

ルンブマ

巻頭に松本卓也さんのグラビア写真があるのだが、これがまた良い。ってか面白い。Amazonレビューでも、「思わず笑ってしまった」と書いている人がいた。2016年当時は、そんな感じでも、売り出そうとしてたんだな…。

2019/06/17

 

「政治との関連でいえば、いま、防衛省が臨床心理士を募集しています。災害支援などで悲惨な光景を目にすると、自衛隊がPTSDや適応障害になるケースがありますね。(…)臨床心理の側にも、雇用がつくりだされるというメリットがあります。軍産複合体がメンタルヘルスの領域にも進出しているわけですね。(…)臨床心理学は、現在の安保体制において「派兵」された自衛隊員が帰還しても自殺しないで済むためのテクノロジー、いいかえれば、「自殺しない帰還兵をつくる」テクノロジーの一部を担うようになるわけです」

2017/01/11

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