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インノサン少年十字軍(下)(完) (エフコミック) (Fx COMICS)

インノサン少年十字軍(下)(完) (エフコミック) (Fx COMICS)

インノサン少年十字軍(下)(完) (エフコミック) (Fx COMICS)

作家
古屋兎丸
出版社
太田出版
発売日
2012-02-16
ISBN
9784778321581
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インノサン少年十字軍(下)(完) (エフコミック) (Fx COMICS) / 感想・レビュー

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ぐうぐう

全三巻、千ページを越える『十字軍物語』の中で著者の塩野七生が、少年十字軍に触れたのはたったの二ページにすぎない。古屋兎丸は、二ページに凝縮される史実に伝承を加え、さらにそこに、自身のイマジネーションをたっぷりと盛り込み、少年十字軍とその時代を、ものの見事に表現している。奇跡に裏切られ、奇跡に救われる、少年達の絶望と希望の行程に、心を揺さぶられぬ者などいないだろう。間違いなく、古屋兎丸の最高傑作だ!

2013/08/04

ぐっちー

一気に読みました。崩壊した組織の中で、各キャラの役割が見事に昇華されてゆく。暗黒の中世と呼ばれた時代を象徴する十字軍。その中でも特異な少年十字軍やアルビジョワ十字軍。それに俗に堕ちたテンプル騎士団や、欲にまみれた商人たちを上手く絡めていて、ここに一大叙事詩が完成した。

2013/05/28

ぐっちー

次々と死んでゆく子供たち。残酷で悲しい結末。中世の子供たちの姿に仮託して、様々な差別や格差、対立を描く物語だった。未来を生きる私たちが、全ての子供たちが幸福であると胸を張れない恥ずかしさ。

2020/06/25

おMP夫人

ただひたすらに、残酷。大半の方が、目を背けたくなるであろう描写と展開が続くのですが、臓物が飛び出したりといったスプラッター要素は比較的あっさり目かと思えます。しかし、独特な絵柄のなせる業か、嫌悪感とある種の美しさを併せ持つそれらのシーンが強く印象に残ります。このあたりが、この作家さんの魅力なのかもしれません。天草四郎やジャンヌ・ダルクなどに代表される、信仰が生む崩壊を好まれる方にはお勧めできる作品と言えます。報われない悲劇でしかないのに、なぜか読後に、大嵐が去った後のような爽やかさを感じる作品でした。

2012/04/25

てんてん(^^)/

信仰って一体何なのだろうと、こういう作品を読むたびに思ってしまう。本来はもっと素朴な思いだったはず。異なった考えを排斥しようとする心理は簡単に推測できるけれど、神の御名の前においてはこんなにもやすやすと実行できてしまうということに戦慄を覚える。エティエンヌの顕現させた奇跡は、あの残酷な試練を経ることによって生まれたのだろうか。あの姿を思うとえもいわれぬ気持ちになる。安らかになどとは言えない。。。悲しみと怒りがない交ぜになったような、癒えない痛みを感じる。 なんともまとまらないな。

2012/03/05

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