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淡島百景 2

淡島百景 2

淡島百景 2

作家
志村貴子
出版社
太田出版
発売日
2017-07-25
ISBN
9784778322823
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「淡島百景 2」のおすすめレビュー

舞台に立つことを夢見る少女と、かつての少女たちの心を鮮やかに描き出す『淡島百景』

『淡島百景』(志村貴子/太田出版)

 大人になれば、悩みなどなくなるのだと思っていた。ところが、いざ大人になってみると、悩みなんてなくなるどころか増えている。自分だけが悩んでいたわけではなかったのだということも、だんだんとわかってきた。気がついていなかっただけなのだ。教室で隣の席にいたあの子も、ちょっと苦手な先輩も、いつも元気な後輩も、それぞれ悩みを抱えていたのに──女の子たちはみな、朝の支度を終えてしまえば、素顔を見せない名役者たちだから。

『淡島百景』(志村貴子/太田出版)は、そんな少女たちの仮面と素顔を、重層的に描き出す群像劇だ。

 淡島歌劇学校合宿所──そのままの名ではあまりに色気がないので、生徒たちは代々“寄宿舎”と呼んでいる。春、その“寄宿舎”に入寮したのは、ミュージカルスターに憧れて淡島歌劇学校に入った新一年生の田畑若菜。寮での暮らしは、なかなかに気を遣う。なにしろ、部屋は先輩と同室、お風呂は共同浴場だ。そんな共同生活に耐えられないと涙を流す入寮生は、先輩方に“手のかかる子”と眉をひそめて見られるが、反対に“手のかからない子”は、先輩に…

2019/5/2

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淡島百景 2 / 感想・レビュー

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いっちゃんず

「読みたい本」の中にこの作品が残っているのを発見して、うわぁもうとっくに読んでいるじゃんかということで登録。宝塚音楽学校によく似た女学校の物語2巻。【山路ルリ子と日柳夏子】での母と娘の葛藤。【淡島怪談】での学生同士の葛藤。それぞれの夢や希望、それ故の拒絶や妬み。今さら後悔しても始まらず、ずっと抱えて生きて行かなければならない痛々しくてドロドロしたもの。それを比較的スッキリと読ませてしまう志村貴子さんはすごいなぁ、と。

2018/02/03

ぐうぐう

約2年ぶりとなる続巻。1巻の感想でも触れたけれど、志村貴子のネームの拙さが混乱を招く事態に、この続巻も変わりがない。しかも、群像劇、過去と現在が入り乱れる構成が、その混乱に拍車を掛ける。とはいえ、その混乱が、妙なリアリティをもたらせるのも事実だ。多くの人の想い、記憶、それらが交錯するとき、混乱は必然だろう。「すくなくともわたしたちには懐かしむ場所ではない」であるならば、なおのこと。稚拙さが招く混乱の、思いがけない副産物、と言えば、皮肉に聞こえるだろうか。

2017/08/06

ソラ

久々の2巻。きらびやかな世界であるがゆえにその影はより濃くなるって感じなのかなと。1巻をまた読み返さないとな。

2017/07/29

パンダ侍

★★★★☆ 志村貴子の描く群像劇が好きです。 今回は淡島という歌劇団併設の高校を舞台に、新入生、卒業生、出身者と様々な立場から学園を描く2巻。 ひとりひとりのエピソードは情景として描かれ、深くは掘り下げないのだけど彼女たちの関係性や、同じ風景のなかで感じた別々の想いが大きなレース編みのように複雑で繊細な模様を描いていく。まだ完成図は見えない途中巻なのですが、今後も楽しみ。

2017/08/02

イーダ

山路のばーさまの業の深さがハンパない。道を目指す人、途中で降りた人、様々な思いが複雑に絡まった話が多かった。志村さんはこういうのを書かせると上手いなー。絵がドロドロしてないから読みやすいし。

2017/08/20

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