ロマンチック・ドリンカー;飲み物語精華集
ロマンチック・ドリンカー;飲み物語精華集 / 感想・レビュー
SIGERU
YOUCHANさんの小粋な装丁のお蔭で、読んでいる自分までが伊達者になったような気分を味わえる、綺麗なアンソロジー。まず、堀辰雄や立原道造の詩的散文により、あえかな空想の世界に誘われる。編者の企みは成功だ。初読の松村みね子も面白かったが、幸田露伴『軽井沢』が、思わぬ拾い物。明治末期、洋行した日本の令嬢が、日本製の缶詰をめぐりドイツの令嬢に侮辱される。日清・日露戦争に勝利したものの、未だ後進国と見做されていた日本の微妙な立場が巧みに暗示された、愛すべき小品。舶来ライムジュースが小道具として良く効いている。
2021/06/23
スイ
タイトルを見て、「ワーオ!お酒の話!これは読まなきゃ☆」と思ったのだけど、お酒一滴も関係なかった…先走った…。 様々な書き手の作品を、「飲み物」というくくりでまとめたもの。 コーヒーやオレンジエードなどなど。 こういう選集は、知らなかった作家に出会えたり、知っている作家でも知らない面が見えたりするのが楽しい。
2019/09/19
りくう
終始お洒落さ漂う短編集。初めて読む作家も多く、今後また読書の幅が広がりそう。
2020/08/19
mick
表紙の可愛さに魅かれた。短編集で頁数も少ないが読了に時間かかる。いくつかの作品はこれまでに読んだことがあると気づいた。好みの文章というのは変わらないものだ。
2019/09/05
星野紗奈
蔵書検索サイトで授業の資料を探していたら偶然見つけ、飲み物に血が含まれているのを面白がって市立図書館で借りた。飲み物縛りというのはありそうでなかった。(浅学なのは承知だが)近代文学が初めての人は読むのが嫌になるのでは……? というくらい漢字は難しかった。もう少しルビが多かったら個人的にありがたかった(笑)。それにしても、太宰治の作品は相変わらず読みやすく、自分との相性の良さを感じた。幸田露伴、立原道造などの作品も割と好きだった。短編集で読みやすいだけでなく、デザインもかわいいのでぜひ手にとってみてほしい。
2023/01/29
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