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女子と貧困

女子と貧困

女子と貧困

作家
雨宮処凛
出版社
かもがわ出版
発売日
2017-06-15
ISBN
9784780309188
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「女子と貧困」のおすすめレビュー

「貧困」はもはや他人事ではない…。女性たちが「貧困」に陥ったのはなぜか?【著者インタビュー】

『女子と貧困』(雨宮処凛/かもがわ出版)

 「貧困」な「女子」の記事は、ネットニュースではもはや定番だ。お金がないからとボロボロの部屋で暮らしていたり、風俗で働いても貧困は変わらなかったりと、とにかく悲惨なものばかり。中にはどこか「見世物」感が漂う記事もある程だ。

 「インパクトの強いひどい事件が、社会を変えるきっかけになることがあります。でもそれを探すことにやっきになると悲惨競争になってしまうし、怖いもの見たさで読まれてしまう気もしていて。貧困は社会問題であって、決して消費するための娯楽ではないんです」

 こう語る雨宮処凛さんは路上生活者への炊き出しに参加するなど、10年以上も格差や貧困問題と直接向き合ってきた。

 女性の貧困をテーマにした新刊『女子と貧困』(かもがわ出版)に登場する“貧困女子”たちは、ボロアパートに住み風俗で働いても爪に火を点すような生活、はしていない。そして彼女たちは怠けていたわけでも、遊んでいたわけでもない。なのに「貧困」に陥ったのは、何が原因だったのだろう? 「貧困は社会問題」と語る雨宮さんならではの視点で、語っていただいた。

2017/7/31

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コロナ以前から存在する「女性の貧困問題」――パパ活・風俗・シングルマザー・ネカフェ女子…さまざまな“リアル”を知る5冊

 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛によって、多くの人が苦しんでいる。収入がなくなったり少なくなってしまった社会人、授業料を稼ぐためのアルバイトができずやむなく退学を考える大学生。みな、先の見えない不安な日々を過ごしている。

「女性の貧困問題」については、コロナウイルスの問題以前にも、多くの書籍が指摘するところであった。

 ここでは、貧困に直面した女性たちを紹介した書籍を5冊紹介し、コロナウイルス収束後の未来を考えたい。

このまとめ記事の目次 ・東京貧困女子。 彼女たちはなぜ躓いたのか ・裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち ・性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困 ・証言 貧困女子 助けて! と言えない39人の悲しき理由 ・女子と貧困

『東京貧困女子。 彼女たちはなぜ躓いたのか』(中村淳彦/東洋経済新報社) 『東京貧困女子。 彼女たちはなぜ躓いたのか』(中村淳彦/東洋経済新報社)  本書で描かれるのは、20歳前半の女子大生から50代のシングルマザーまで、幅広い年代の貧困女子たち。本書に登場する女性たちは、一貫して普通で、たとえば…

2020/4/28

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女子と貧困 / 感想・レビュー

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なゆ

20代~60代の女性たち8人の生きづらさ。タイトルから単純に非正規勤務のシングルマザーをイメージはしていたが、こんなにも様々な要因から貧困に陥ってしまうのかとびっくり。女子とタイトルにはあるが、女子に限らない事例も。貧困から抜け出したくても、生活保護世帯からの大学進学は絶望的ともいえる現状。さらには奨学金の返済に汲々という落とし穴。経済的徴兵制だなんて、コワすぎる。原発自主避難が引き金で、離婚からの貧困。育児ハラスメントで時短勤務に追いやられ収入減、正社員なのに生活保護で足りない分を補うだなんて!

2017/10/18

しらたま

雨宮さんのゴスロリは、セクハラ除けの武装だったとは。女は、社会で男並みの「活躍」を求められ でも待遇は悪く、出産育児家事介護も!男の数倍もらわないと合わないでしょ? 8人の女性たち、どなたも辛すぎる現実を乗り越え、頭が上げられない思い。貧困に立ち向かうには、知識・知恵をつける、組合やNPOに助けを求める。年齢や立場で対立・分断せず 手を取り合わなければ、政府の思うつぼ。貧困の連鎖を助長する、生保や奨学金事情。「実情に合わなすぎて異次元な」少子化対策。日本はますます世界から遅れていくだろう・・・

2023/03/27

CK

社会構造、制度の問題はもちろん大きいが、そういう社会に生きている以上、対抗するための知識・知恵を身につけることが最も現実的なのかなと思った。

2018/08/13

ももちゃん

貧困に陥ってしまった8つのケース収録。なかでも奨学金という名の借金を背負い返済に四苦八苦する若者に胸が塞ぐ。2004年に日本育英会が日本学生支援機構に変わって以降奨学金はメガバンクと債権回収会社がボロ儲けする金融事業となり学生を食い物にしているという一文に身が凍りつく。社会経験のない高3生が自己責任で申し込み返済に行き詰まるケース。まじめに働いても這い上がれない社会。経済的徴兵制なんてこと怖すぎる。

2017/08/25

fukuokakomachi

この夏(多分)最後の読了本。 日本は幸福な国で、貧困に苦しむ人など本当はいない、と思いたい人たちにはひどく不都合な事例を突きつけるルポルタージュ。 生活保護の受給者、パワハラ被害者、シンママ等々、どんな過程を辿り、どんな状況に置かれるのか、想像力を駆使せず、ただ「自己責任」という言葉でそうした人たちを責め続けられたら、この国でも多分、幸せでいられる。少なくとも自分がいざの立場に転落する日がくるまでは。 雨宮さんのロリータファッションがセクハラを避けるためだったということは初めて知った。

2018/09/19

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