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山本周五郎 ユーモア小説集

山本周五郎 ユーモア小説集

山本周五郎 ユーモア小説集

作家
山本周五郎
出版社
本の泉社
発売日
2023-02-25
ISBN
9784780722352
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山本周五郎 ユーモア小説集 / 感想・レビュー

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Kei.ma

読むと心に琴の残響が漂う山周さんの本。例えば「評釈堪忍記」は柄にもない辛抱を、と言っても極めて常識だが、それをかなぐり捨てた途端、つまり素の破天荒に戻ったら幸運が招来したなんて空恐ろしすぎて眉を顰めて笑ってしまう。「真説吝嗇記」は小さな町工場を定年で辞めた老人を思い出させる。一人暮らしのその男には道楽を教えたはずだったが、死の枕には使いきれないほどのお金があったことを。何か一つといわれると「よじょう」だろうか。運命や見栄に翻弄される様が怖すぎるくらい可笑しくて。

2023/04/23

ひさか

新読物1947年12月号評釈堪忍記、1948年6月号真説吝嗇記、講談雑誌1948年10月号おしゃべり物語、1950年9月号ゆうれい貸屋、1952年3月週刊朝日増刊号よじょう、富士1952年4月号わたくしです物語、別冊文藝春秋1964年10月号ひとごろし、の7つのユーモア短編を2023年2月本の泉社から刊行。シリーズ4作目。書き言葉のところどころに時代を感じるが、滑稽なところは今の感覚と変わらないので笑ってしまう。ゆうれい貸屋は、落語のよう。巻末の新船海三郎さんの解説が面白く楽しい。

2023/08/01

オールド・ボリシェビク

山本周五郎のアンソロジーで「ユーモア」で括った短編7編を収めている。周五郎の短編は、すべて読んだと自負しているが、何しろ数も多く、しかも老化で読んだことを忘れていることも多いので、再読にしても面白かった。特に「ゆうれい貸屋」のばかばかしさは筆舌に尽くしがたく、よくぞまあ周五郎、こんな下らない作品を書いたもんだと、読後、呆れかえった。しかし「よじょう」における、宮本武蔵的な武士道を揶揄する反骨の姿勢はさすがだと、改めて感心した次第である。

2023/03/01

hirayama46

はじめての山本周五郎。ユーモア小説を集めた短編集。ユーモアとはいえ笑えるというよりは滑稽味を出しながらの風刺小説に近いでしょうか。剣術にまるで自信のない男の風変わりな仇討ちを描いた「ひとごろし」、自棄で乞食になった男の状況があれよあれよと変転していく「よじょう」が特に楽しくて良かったです。

2023/06/08

狐狸窟彦兵衛

古いドラマ「幽霊貸します」を見て原作を読みたくなって読み始めた一件。原作「ゆうれい貸屋」は、ドラマ一回分くらいの小品だった。どの作品も、いかにも人をくった登場人物の名前が可笑しい。んなあほな、と苦笑いしつつ、つい読み通してしまう短編ばかりです。

2023/12/15

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